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NY外為市場=ドル下落、米政府閉鎖巡る不透明感で 日銀総裁発言受け円下落

2025年10月04日(土)06時08分

[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落した。週間でも主要通貨に対し、数週間ぶりの下げとなる見通し。米連邦政府機関の一部閉鎖を受けて、景気の先行き不透明感が強まっていることが背景。また、政府機関閉鎖の影響で、3日に予定されていた米雇用統計の発表は延期された。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.1%安の97.72。週足では7月以来の大幅な下げとなる見通し。

ユーロ/ドルは0.2%高の1.1739ドル。ユーロは週間で1カ月ぶりの大幅高となる勢い。

ドルは対スイスフラン、ポンドでも下落。週間では、ドルは両通貨に対し8月中旬以来の大幅な下げを記録する見通し。

USBの為替ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「なおレンジ相場だ。方向性を示すモメンタムが欠如しているだけだと思う​​。政府機関が閉鎖されているという事実は、低ボラティリティ環境にさらに拍車をかけている」と指摘。同時に「政権が警告しているように、政府機関のレイオフがさらに進めば、労働市場の弱体化を招き、ドルにとってマイナス材料となるだろう」と述べた。

米供給管理協会(ISM)が3日発表した9月の非製造業総合指数は50.0に低下した。新規受注の大幅な減速に加え、雇用も低調で、労働市場の減速が改めて示唆された。

また、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は、経済に見られる顕著なシフトは現行の金利水準が高すぎることを示唆しているという認識を示し、金融政策の大幅緩和を改めて主張した。また、一部で考えられているほど、自身と他のFRB当局者との見通しに大きな隔たりはないという認識を示した。

CMEのフェドウオッチによると、月内のFOMCでの0.25%ポイント利下げはほぼ確実とみられ、12月の追加利下げの確率は84%となっている。

ドル/円は一時0.4%下落したものの、その後切り返し、終盤は0.1%高の147.44円で推移した。週間では1.4%上昇し、5月中旬以来の大幅な上昇となる見込み。

日銀の植田和男総裁は3日、米国の関税政策が米および世界経済、ひいては日本経済に与える影響について「不確実性は依然としてかなり大きなものが残っている」と警戒感を示し、様子見を続ける期間については「われわれの政策判断に必要な程度の見極めができるところまで」と話した。

4日に投開票される自民党総裁選にも注目が集まっている。

暗号資産(仮想通貨)ビットコインは8営業日続伸。一時、最高値を更新した8月13日以来の高値を付けた後、終盤は1.5%高の12万2530.82ドルで取引された。

ドル/円 NY終値 147.44/147.47

始値 147.32

高値 147.54

安値 147.19

ユーロ/ドル NY終値 1.1741/1.1744

始値 1.1736

高値 1.1758

安値 1.1727

ロイター
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