米追加利下げ余地「限定的」、インフレ高止まりで=セントルイス連銀総裁

米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は22日、インフレが米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%を上回っている状況を踏まえ、「追加利下げ余地は限られている」可能性があるという認識を示した。写真はFRBビルで16日撮影(2025年 ロイター/Aaron Schwartz)
[ワシントン 22日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は22日、インフレが米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%を上回っている状況を踏まえ、「追加利下げ余地は限られている」可能性があるという認識を示した。
米連邦準備理事会(FRB)は16─17日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き下げ、4.00─4.25%とした。利下げは昨年12月以来6会合ぶり。
ムサレム総裁は同会合で「労働市場の完全雇用を支え、さらなる弱体化を防ぐための予防措置として、0.25%ポイントの利下げを支持した」と述べた。
同時に「政策が過度に緩和的にならぬよう、一段の緩和余地は限られていると考える。われわれは慎重に行動すべきだ」と強調した。
さらに「金融政策は引き続き、目標を上回るインフレの持続に歯止めをかけるべき」と指摘。失業率に対するリスクが存在する可能性はあるものの、顕在化しない限り、「労働市場を過度に重視することは、利益よりも害をもたらす可能性がある」とくぎを刺した。
また、米政権による関税措置はインフレを加速させており、その影響は予想ほど大きくないものの、企業が価格の調整を進める中、完全な影響が感じられるようになるにはあと数カ月かかる可能性があると述べた。