アングル:FRB「完全なギアチェンジ」と市場は見なさず、今後数カ月は神経戦

米連邦準備理事会(FRB)が昨年12月以来、6会合ぶりに利下げを再開した。9月17日、ニューヨーク証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
Davide Barbuscia Suzanne McGee
[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が昨年12月以来、6会合ぶりに利下げを再開した。追加緩和も示唆したが、その一方でインフレの高止まりを警告した。緩和モードに完全にギアチェンジしたわけではないという受け止めが広がり、投資家にとって今後数カ月は神経をとがらす局面になりそうだ。
パウエルFRB議長は、17日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、「短期的にインフレに対するリスクは上方に傾き、雇用に対するリスクは下方に傾いており、(金融政策当局 にとって)難しい状況になっている」と指摘した。今後の政策運営については「会合ごとに判断していく」と述べた。
フランクリン・テンプルトン・インスティチュートのグローバル投資ストラテジスト、ラリー・ハサウェイ氏は「われわれはしばらく前から、全面的な守りではないにしろ、かなり慎重な見方をしてきた」と述べ、それがFRBのメッセージで「強化された」と語った。パウエル氏が、経済指標を踏まえて会合ごとに政策決定する方針を示したことで、市場では連続利下げの観測が後退し、政策の明確性と方向性の欠如に失望する向きが多いだろうと指摘した。
FRBが発表した金利・経済見通しでは、FOMC参加者が適正と見なす将来的な政策金利水準を示す「ドットチャート」の中央値が、年内あと2回の利下げを示唆し、前回6月の予想から増えた。
一方で、年末時点のインフレ率予想は3%とFRBの目標である2%を大きく上回り、今年の経済成長率予想は1.4%から1.6%に小幅上方修正された。
ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのポートフォリオマネジャー、ダン・シルク氏は「市場は緩和バイアスを歓迎するだろうが、メッセージは微妙な意味合いを含蓄しており、完全な方向転換には程遠い」と指摘した。
実際、米株市場のナスダック総合指数とS&P総合500種指数は最高値水準でFOMCを迎えたが、17日は不安定な動きで下落して終了。米国債利回りは上昇(価格は下落)した。
<くすぶるスタグフレーションリスク>
ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジャック・マッキンタイア氏は「FRBは厳しい状況に置かれている。彼らはスタグフレーション、インフレ率上昇と労働市場の弱体化を予想している。これは金融資産にとって好ましい環境ではない」と述べた。
8月の消費者物価指数(CPI)は前年比で1月以来の大幅上昇。雇用は予想以上に減速し失業率は4.3%に上昇した。
米国は1970年代にスタグフレーションを経験したが、エンジェルス・インベストメンツの最高投資責任者マイケル・ローゼン氏は「70年代のスタグフレーションには程遠いが、株式と債券利回りにより保守的な見方を持たせる面もある」と話す。
今回のFOMCには、FRBに利下げ圧力をかけ続けているトランプ氏が送り込んだミラン新理事が初参加した。ミラン氏は政策決定で0.5%の利下げを主張。ドットチャート予想では、年末の政策金利で他のドットからひときわ低い2.875%に1つドットがあった。
バンガードの米国シニアエコノミスト、ジョシュ・ハート氏は「市場は入手した情報を全て消化するのに苦労していたと思う」とし、政策担当者が政策決定にどう取り組んでいるかについて十分な見通しを得られた人はいなかったと述べた。「FOMCメンバーの間で意見の相違がかなりあり、不確実性が高まっている」と指摘し、不協和音がボラティリティーの高まりにつながる可能性があると警告した。
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