中国国債が急落、生産者物価デフレ緩和や株高で
[上海 10日 ロイター] - 中国の国債価格が10日、急落した。生産者物価デフレの緩和と活況な株式市場が背景。
市場関係者は株式ファンドへの資金流入を促す政府の対策も、国債下落の一因と指摘している。
国債価格は軒並み下落し、特に長期債が大きく売られた。30年物国債先物は一時0.9%下落し、4カ月ぶりの安値を記録。2年間続いた強気相場が終了した。
Shanghai Anfang Private Fund Coのクレジット調査ディレクター、Huang Xuefeng氏は「預金や理財商品から株式へと段階的に資金が流入している。債券市場は買い意欲がほとんどない。売り一色で、資金流出が続いている」と指摘。
「中国経済の傷が癒えている兆候があり、水面下でリフレ期待が浮上している。これは債券の悪材料だ」と述べた。
国家統計局が10日発表した8月の生産者物価指数(PPI)は前年比2.9%下落と、マイナス幅が前月の3.6%から縮小した。主要産業で過当競争や値下げを抑制する当局の取り組みが実を結び始めていることを示唆した。
中国証券規制当局は5日、株式ファンドへの投資を促す規則の草案を公表した。手数料の引き下げが盛り込まれている。