ニュース速報
ビジネス

スペースX、米エコスターから170億ドルの周波数購入 自社網強化

2025年09月09日(火)02時07分

イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXは8日、米衛星通信会社のエコスターが保有する無線周波数帯のライセンスを約170億ドルで購入すると発表した。1月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Harshita Mary Varghese David Shepardson

[ワシントン 8日 ロイター] - イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXは8日、米衛星通信会社のエコスターが保有する無線周波数帯のライセンスを約170億ドルで購入すると発表した。衛星インターネットサービス「スターリンク」向けで、スペースXは米通信大手Tモバイルなどから借り受ける周波数帯に依存するだけでなく、自社所有の周波数帯でサービスを展開できるようになる。

スペースXは米連邦通信委員会(FCC)に対し、エコスターが保有する第5世代(5G)通信の周波数帯を有効に利用していないとして、再配分するよう強く促していた。

両社は、エコスターの携帯電話サービスの契約者が、衛星とスマートフォンを直接通信できるスターリンクのサービス「Direct To Cell」にアクセスできるようにする契約にも合意した。

スペースXのグウィン・ショットウェル社長兼最高執行責任者(COO)は「世界のモバイル通信における利用できないエリアの解消につながる」と述べた。

発表を受けて、エコスターの株価は午前の取引で約15%上昇している。

スペースXは最大85億ドルの現金と、最大85億ドル相当の株式を発行して支払う。2027年末までエコスターの債務利息の支払いを20億ドル程度負担することにも合意した。

FCCは5月、エコスターの5Gサービスの提供について疑義を呈し、保有する無線周波数帯の利用条件を満たしているかどうかを調査中だと通告していた。エコスターは今回の取引や8月に合意した米通信大手AT&Tへのライセンス売却で、FCCの懸念は解消される見通しだと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アップル新製品発表会、薄型iPhoneが反響呼ぶか

ワールド

北朝鮮と「戦略的な意思疎通を強化」、建国77年で中

ワールド

トランプ政権、シカゴで移民取り締まり作戦開始と発表

ワールド

BRICSは貿易関係強化を、ルラ氏呼び掛け 「関税
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 3
    石破首相が退陣表明、後継の「ダークホース」は超意外なあの政治家
  • 4
    エコー写真を見て「医師は困惑していた」...中絶を拒…
  • 5
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 6
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 7
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 8
    コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用
  • 9
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 10
    「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 9
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 10
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中