ＶＷ、小型電動ＳＵＶ試作車披露 ミュンヘン自動車ショー前に

９月７日、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン（ＶＷ）は小型電動ＳＵＶ（スポーツタイプ多目的車）「Ｉ．Ｄ．クロス」の試作車を披露した。写真は同日、ミュンヘンで開かれた発表会で撮影（２０２５年　ロイター/Kai Pfaffenbach）

[ミュンヘン ７日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン（ＶＷ）は７日、小型電動ＳＵＶ（スポーツタイプ多目的車）「Ｉ．Ｄ．クロス」の試作車を披露した。コストとイノベーションを巡る競争激化、米国の関税、消費者需要の変化の中、手頃な価格の電池式電気自動車（ＢＥＶ）を提供する同社の取り組みの一環だ。

ブルーメ最高経営責任者（ＣＥＯ）は９日に開幕するミュンヘン自動車ショー前の報道陣向け内覧会で、Ｉ．Ｄ．クロスは２０２４─２５年に約６０モデルを展開する製品ラインに含まれると説明した。２６年夏に世界初公開し、価格は２万８０００─３万ユーロ（３万２７８０─３万５１２１ドル）に設定される見通し。

ブルーメ氏は「われわれは常に大きな課題に直面してきた」とし、激しい競争、欧州での需要減退、中国での価格競争、特に米国の輸入関税など貿易摩擦を挙げた。その上で「しかし、われわれは引き下がらなかった」とし、ＥＶハッチバック「Ｉ．Ｄ.ポロ」のほか、傘下セアトの「クプラ」、シュコダのＳＵＶなどグループの製品を列挙した。

ＶＷはまた、従業員３万５０００人余りの削減とドイツ国内工場での生産能力削減を伴う大規模なコスト圧縮プログラムも開始した。