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FRBの金融政策「適切」、労働市場巡るリスクを警告=セントルイス連銀総裁

2025年09月04日(木)00時18分

米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は3日、現在の経済指標を踏まえると連邦準備理事会(FRB)の金融政策は適切な水準にあると述べた。カリフォルニア州パロアルトで5月撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)

[3日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は3日、現在の経済指標を踏まえると連邦準備理事会(FRB)の金融政策は適切な水準にあると述べた。ただ、16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを支持するかは明確に示さなかった。

ムサレム氏はピーターソン国際経済研究所での講演で「現在の政策金利はやや引き締め的で、完全雇用の状態にある労働市場のほか、FRBのインフレ目標と整合している」と指摘。同時に、「全ての米国人にとっての最大雇用と物価安定の達成と維持に向け、金融政策を最適にする先見性のある金利の道筋を模索していく」とし、今後の金融政策の方向性を決めるには一段のデータが必要になるとの考えを示した。

その上で、FRBは完全雇用と物価安定に関する2つの責務のバランスを取る必要があると言及。労働市場については、完全雇用状態にあるとしながらも「労働市場は徐々に冷えこみつつあり、リスクは下向きに傾いている」と述べた。

インフレ見通しに関しては、トランプ政権の関税措置の影響は向こう2、3四半期にわたって経済全体に波及していくとし、インフレへの影響はその後薄れていくと予想。「実質経済成長率がトレンドを下回り、長期インフレ期待が安定することで、インフレの持続性は抑制される」との見方を示した。同時に、このところの経済指標を踏まえ、雇用に対するへの懸念が高まった一方、インフレに対する懸念の一部は和らいだとも述べた。

ロイター
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