米EU合意、良い取引でないと仏ロレアルCEO 高コスト警告

7月29日、 フランス化粧品大手ロレアルのニコラ・イエロニムス最高経営責任者(CEO)は、欧州連合(EU)が米国と合意した関税枠組みは高コストをもたらすと警告し、同社製品への関税免除を求める方針を示した。写真はロゴ、クリシーの本社で4月撮影(2025年 ロイター/Stephanie Lecocq)
Dominique Patton
[パリ 29日 ロイター] - フランス化粧品大手ロレアルのニコラ・イエロニムス最高経営責任者(CEO)は29日、欧州連合(EU)が米国と合意した関税枠組みは高コストをもたらすと警告し、同社製品への関税免除を求める方針を示した。この日発表した4─6月期決算は、米国市場での化粧品やヘアケア用品の需要が改善していることが示された。
イエロニムス氏はロイターに対し、米国が化粧品を含むEUからの大半の輸入品に15%の関税を課すとする27日の合意について「良い取引だとは思わない」と指摘。「ロレアルが恩恵を受けられるような抜け穴があるかどうかを調べるため、欧州の全ての首脳や貿易交渉担当者に書簡を送る。合意が最終的には高コストをもたらすからだ」と述べた。
ロレアルの米国売上高は、3割が米国外からの輸入製品が占める。イエロニムス氏は、この先値上げや米国内での生産増に踏み切る可能性もあるが、決定を下す前に、トランプ米政権と貿易相手国の交渉が完了するのを待つと明らかにした。
4─6月期の米国売上高は、前年同期比で増加した。イエロニムス氏は、「不透明感がわずかに和らいだ」ことと、新たな化粧品やヘアケア用品の発売が寄与したと説明した。