米6月求人件数、27.5万件減 関税不安で採用も減少

米労働省が29日発表した6月の雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は743万7000件と、前月から27万5000件減少した。写真は3月、ミズーリ州カンザスシティで開かれた連邦職員向け就職フェアで撮影(2025年 ロイター/Chase Castor)
[ワシントン 29日 ロイター] - 米労働省が29日発表した6月の雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は743万7000件と、前月から27万5000件減少した。求人と採用は宿泊・飲食サービス業で特に減少しており、米国の労働市場が一段と減速している可能性が示された。
ロイターがまとめた求人件数のエコノミスト予想は750万件だった。
採用件数は26万1000件減の520万4000件。宿泊・飲食サービス業で10万6000件減少した。一方、同業界の離職者数は1万8000人増加した。エコノミストは、この増加は、米政権の移民取り締まり強化政策に起因すると見ている。
シティグループのエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「ここ数カ月でレジャー・ホスピタリティ業界の離職率が上昇している」とし、米政権の移民取り締まりを反映している可能性があると指摘した。
これまでの雇用増をけん引してきた宿泊・飲食サービス業では、求人件数が30万8000件減少。医療・社会福祉部門で24万4000件減少した。求人率は4.4%と、前月の4.6%から低下。採用件数も10万6000件減少した。
ただ、解雇は拡大しておらず、解雇件数は7000件減の160万4000件。企業は新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミックなどで人手不足に直面したため、大規模な解雇にはなお消極的になっているとみられる。