ECB9月利下げ、予想外の経済変化が条件=スロバキア中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁(写真)は28日、ECBは追加利下げを急いでおらず、9月の理事会で利下げに踏み切るには経済に予想外の大きな変化が必要との見解を示した。2022年撮影(2025年 ロイター/Jim Urquhart/File Photo)
[フランクフルト 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は28日、ECBは追加利下げを急いでおらず、9月の理事会で利下げに踏み切るには経済に予想外の大きな変化が必要との見解を示した。
自身のブログで「今後のデータに関しては、9月に行動を起こさざるを得なくなるような重大な事態にはならないと予想している」と記した。労働市場の著しい悪化など、重大な変化がなければ利下げは支持しない考えを示した。
27日に合意された欧州連合(EU)と米国の貿易協定について「懸念を和らげ信頼回復に寄与する可能性がある」との見方を示した。「より明確な見通しは得られたものの、この新たな環境がインフレにどの程度影響するかを見極めるには時間が必要だ」と述べた。
「インフレ率が持続的に目標を下回る差し迫ったリスクはない」とし「今後1年間で(インフレ率が)目標を下回ることが予想されるが、そうした状況は一時的なものになるはずだ」との見通しを示した。
貿易を巡る混乱もインフレ上昇のリスクになると指摘した。特に世界のサプライチェーンが再編され、ボトルネックが生じた場合には、その傾向が顕著になるとの見方を示した。
カジミール氏はECB内でタカ派として知られている。