ノーザン・トラスト合併打診報道のBNY、ウォーレン議員が銀行法違反警告

7月23日 米上院銀行住宅都市委員会で野党民主党トップの地位にあるエリザベス・ウォーレン議員(写真)は22日、資産管理大手ノーザン・トラスト との合併に関心を示していると伝えられた同業バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY)のロビン・ビンス最高経営責任者(CEO)に書簡を送り、合併は連邦銀行法違反の恐れがあると警告するとともに、詳しい情報提供を要請した。写真は4月8日、米ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Kevin Mohatt)
Pete Schroeder Saeed Azhar
[ワシントン 22日 ロイター] - 米上院銀行住宅都市委員会で野党民主党トップの地位にあるエリザベス・ウォーレン議員は22日、資産管理大手ノーザン・トラスト との合併に関心を示していると伝えられた同業バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY)のロビン・ビンス最高経営責任者(CEO)に書簡を送り、合併は連邦銀行法違反の恐れがあると警告するとともに、詳しい情報提供を要請した。ロイターが書簡の内容を確認した。
長らく大手銀行批判を続けているウォーレン氏は書簡で、世界最大の資産管理銀行であるBNYと主要な競争相手の統合は金融安定に重大な懸念をもたらすと指摘。協議に入る可能性の程度や、現在規制当局との話し合いが行われているならばその状況を説明するよう求めた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は6月、BNYがノーザン・トラストに対して合併に関心があると打診したと報じたが、ノーザン・トラスト側は独立性を維持したい意向を明らかにしている。
ウォーレン氏は、重要な市場を劇的に再編しつつ、個社のリスクプロフィールとシステム上の重要性を急激に高めるこの統合を進めるのは無責任で、連邦銀行法にも抵触する可能性があるとの見方を示した。
その上で、統合を通じて資産管理サービス市場のシェアが30%を超える金融機関が生まれて競争上の懸念が増大し、反トラスト法(独占禁止法)違反につながると指摘。既に市場で優越的な立場にあるBNYが手数料や価格を引き上げる力がより強まり、顧客サービス低下やサービス利用先の選択肢限定化などの弊害が出てくると付け加えた。