ニュース速報
ビジネス

午前のドルは146円前後で上下1円変動、関税合意と首相退陣報道で

2025年07月23日(水)13時16分

 7月23日、午前のドルは146円前半から147円前半を上下する荒い値動きとなった。ジャカルタで4月撮影(2025年 ロイター/Willy Kurniawan)

Shinji Kitamura

[東京 23日 ロイター] - 午前のドルは、146円前半から147円前半を上下する荒い値動きとなった。米国との関税交渉が合意に達したことや、石破茂首相の退陣報道を受けて上下1円変動したが、昼には146円後半と朝方とほぼ同水準に値を戻した。

序盤は円高が先行した。トランプ米大統領が日本時間23日午前8時過ぎ、関税交渉で日本と合意に達したと明らかにすると、ドルは146円半ばから一時146.20円まで下落した。

初期反応が円高だったのは、これまで交渉を手掛かりに円を売り込んでいた向きの買い戻しが活発となったことに加えて、交渉の行方に対する不透明感が払しょくされたことで、日銀が今秋にも次回利上げに動く確率が高まったのではないか、との観測が広がったことが背景。

「株高による円安圧力と、金利上昇の円高圧力がせめぎ合っている」(外銀トレーダー)との声も出ていた。この日の株式市場では、トヨタ株が11%高となったほか、日経平均も一時1200円超上昇し、円債市場では国債先物が一時1円安となった。

ドルはその後、合意の詳細が不明であることなどから、次第に売買が交錯し始め、仲値を経て146円前半から後半を上下する展開となった。

午前11時過ぎには、147円前半まで一時急上昇した。石破首相が8月末までに退陣を表明する意向を固めたと報じられことが手掛かり。次期首相の有力候補で日銀の利上げをけん制していた高市早苗前経済安全保障担当相が、次の総裁選で勝利すれば、円安が進む可能性があるとの思惑が出回った。

市場では関税合意について「これまで言われていたほど高い関税率でなかったことは、ポジティブかもしれない。従来より高い関税率だが、10%強であれば他国の動向によっては、相対的な価格競争力が生まれる可能性もある」(日本総研副主任研究員の松田健太郎氏) との声が出ていた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日本が「数十億ドル相当の軍事装備購入」とトランプ氏

ワールド

ウクライナ大統領が「火消し」、汚職撲滅巡り国内でデ

ワールド

EU、米高関税回避へ合意優先 報復措置も準備

ワールド

トランプ氏、市場開放なら関税「常に譲歩の用意」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    参院選が引き起こした3つの重たい事実
  • 2
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家安全保障に潜むリスクとは
  • 3
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつものサラダ」に混入していた「おぞましい物体」にネット戦慄
  • 4
    アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入…
  • 5
    バスローブを脱ぎ、大胆に胸を「まる出し」...米セレ…
  • 6
    トランプ、日本と「史上最大の取引」と発表...相互関…
  • 7
    中国経済「危機」の深層...給与24%カットの国有企業…
  • 8
    【クイズ】億万長者が多い国ランキング...1位はアメ…
  • 9
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 10
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 5
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 6
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 7
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 8
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 9
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 10
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中