ニュース速報
ビジネス

ウェルズ・ファーゴ従業員の出国禁止、中国ビジネスへの懸念再燃

2025年07月18日(金)18時15分

 7月18日、米銀ウェルズ・ファーゴの従業員が中国からの出国を禁じられたことを受け、外資系企業の従業員が中国当局に絡まれる危険性を懸念する声が再燃している。写真は6月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Kylie Cooper)

Antoni Slodkowski Casey Hall Scott Murdoch

[北京/上海/シドニー 18日 ロイター] - 米銀ウェルズ・ファーゴの従業員が中国からの出国を禁じられたことを受け、外資系企業の従業員が中国当局に絡まれる危険性を懸念する声が再燃している。

中国外務省報道官は18日の会見で、ウェルズ・ファーゴの件は認識していないと述べ、中国は外国企業のビジネスを歓迎する環境を提供することを約束すると続けた。

在北京の米国大使館は、プライバシーその他の理由により、本件の詳細についてはコメントできないとした。大使館報道官は「米国市民に対する恣意的な出国禁止措置が両国関係に与える影響について中国当局に懸念を示し、影響を受けた米国市民の帰国を直ちに許可するよう促した」と述べた。

中国で出国禁止の対象となった人数に関する公式データはない。非営利団体「セーフガード・ディフェンダーズ」は、民事・刑事事件に関する裁判所のデータを引用する形で、過去10年間で出国禁止が急増し、「数万人」─大半は中国人─が常時出国禁止に直面していると推定している。

2022年の学術調査によると、1995─2019年に出国禁止処分を受けた外国人は128人で、米国人29人とカナダ人44人が含まれる。約3分の1はビジネスに関連したものだったという。

北京在住の弁護士で、在中国米国商工会議所の会頭を務めた経験を持つジェームズ・ジマーマン氏は、中国当局は日常的に、逃亡の危険性があると見なされる証人や容疑者の中国本土からの出国を阻止するために出国禁止措置を用いていると指摘。「ほとんどの場合、出国禁止には合法的な根拠があるが、政治的な理由などで政府が悪用する例もある」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

シェブロンがヘス買収へ、海底油田巡るエクソンとの調

ワールド

イスラエル、シリア部隊の限定展開に同意 衝突続く南

ビジネス

BOJウオッチャー:米関税、下押し顕在化が後ずれ 

ビジネス

モデルナ、日本でのmRNA工場建設中止 「ビジネス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 5
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 6
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中