需要増加でも価格は下落、リチウム業界の「パラドックス」

今週米ラスベガスで開かれたリチウムに関する世界最大級の年次イベント「リチウム・バッテリー原材料会議」では、参加者の間でリチウムの値下がりへの懸念と堅調な需要への期待が交錯した。写真はチリのアントファガスタにある塩原のリチウム鉱山で塩水を積み込むトラック。2023年5月撮影。(2025年 ロイター/Ivan Alvarado)
[ラスベガス 26日 ロイター] - 今週米ラスベガスで開かれたリチウムに関する世界最大級の年次イベント「リチウム・バッテリー原材料会議」では、参加者の間でリチウムの値下がりへの懸念と堅調な需要への期待が交錯した。電気自動車(EV)や大容量バッテリー向けの利用で需要が急速に伸びているにもかかわらず、中国の供給過剰で価格が下がるリチウム業界の「パラドックス(逆説)」が浮き彫りになった。
会議を主催したコンサルタント会社のファストマーケッツによると、リチウムは需要が昨年24%増加し、今後も向こう10年間にわたり年12%の伸びが見込まれている。しかし価格は中国の供給過剰によって過去2年間に90%余りも下落し、業界では世界全体で人員削減や事業買収、開発プロジェクトの延期などが発生した。
オーストラリアのリチウム採掘企業ピルバラ・ミネラルズのデール・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は会議で、「われわれは市場で痛みに直面している半面、戦略面では優位な立場に立っている。これこそが『リチウム・パラドックス』だ」と話した。
主催者によると今年の同会議の参加者は約1000人で、リチウム価格の下落にもかかわらず前年比9%の減少にとどまった。
ファストマーケッツの電池素材調査責任者を務めるポール・ラスティ氏は「リチウムが世界経済の中心的な役割を果たさない未来を想像するのは難しい」と述べ、中国の鉱山会社が抱える在庫は今後数年で減少し、市場の不均衡は緩和されると予想した。
一方で鉱物系コンサルタント会社のプロジェクト・ブルーは、リチウムの需要が供給を上回るのは早くても2033年以降と予測している。
世界最大のリチウム生産会社アルベマールの価格担当責任者、ピーター・ハンナ氏は「リチウムには落ち着きがない。他の多くの市場よりも本当にボラティリティーが高い」と述べた。リチウムの値下がりを受けてアルベマールは人員削減や事業拡張計画の延期を進めている。
会議の舞台裏では支出抑制の取り組みが話題の中心で、特に塩湖や地層などからくみ取られる塩水(かん水)から直接的にリチウムを抽出する「直接リチウム抽出法(DLE)」がコスト面から注目を集めた。
投資銀行レッド・クラウド・セキュリティーズのコモディティーストラテジスト、ケン・ホフマン氏は「リチウム業界で重要なのは、どの鉱山が最高品質の製品を最も低コストで生産できるかということだ」と指摘した。
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