金価格、年内に3000ドル割れも 需要低迷と成長見通し改善で=シティ

シティは、金の短期及び長期の目標価格を引き下げた。(2025年 ロイター/Angelika Warmuth/File Photo)
[17日 ロイター] - シティは、金の短期及び長期の目標価格を引き下げた。投資需要の減少と世界的な成長見通しの改善により、2025年後半か26年初めまでに1オンス=3000ドルを下回る可能性があると予想した。
16日付のノートによると、0─3カ月の目標価格を3500ドルから3300ドルに、6─12カ月の目標価格を3000ドルから2800ドルに下方修正した。
基本シナリオとして、第3・四半期は地政学リスク、米関税政策変更の可能性、米国の財政懸念を背景に3100─3500ドルの間で値固めするが、その後下落トレンドに入ると予想した。
「25年後半から26年にかけて、金に対する投資需要は弱まるとみる。特に米中間選挙が焦点になるに伴い、トランプ大統領の人気と米国の成長の『プット』が効いてくると予想する」と述べた。
26年後半までには2500─2700ドル程度まで戻る可能性があるとした。
強気シナリオでは、米経済と地政学的緊張の中、ヘッジ需要と投資需要が高まり、金価格は第3・四半期に3500ドルを超えると想定。
弱気シナリオでは、関税問題が解決し地政学リスクが後退し、米国経済がハードランディングを回避することで、3000ドルを下回るとみている。
ただし、強気、弱気いずれのシナリオも確率は20%とした。
銀については、今後6─12カ月に1オンス=40ドルまで上昇すると予想した。
強気シナリオでは、米中貿易戦争の早期解決と米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な政策を受け、25年第3・四半期までに46ドルに達する可能性があるとした。