エア・インディア、事故契機に安全性高める取り組み強化を 会長が従業員に訴え

6月16日、インド大手財閥タタ・グループ傘下のエア・インディアのチャンドラセカラン会長(写真)は、従業員に対し、先週起きた少なくとも271人が死亡した旅客機墜落事故をより安全な航空会社の構築に向けたきっかけにすべきだと語り、批判の中でも毅然とした態度を保つよう促した。印グレイターノイダで2020年2月撮影(2025年 ロイター/Anushree Fadnavis)
[ニューデリー 16日 ロイター] - インド大手財閥タタ・グループ傘下のエア・インディアのチャンドラセカラン会長は16日、従業員に対し、先週起きた少なくとも271人が死亡した旅客機墜落事故をより安全な航空会社の構築に向けたきっかけにすべきだと語り、批判の中でも毅然とした態度を保つよう促した。
タタ・グループ広報担当はロイターに対し、チャンドラセカラン氏はニューデリー近くのエア・インディア本社で開催した従業員700人参加のタウンホール会議で、墜落事故は自身のキャリアで「最も悲痛な思いにさせる」危機だと語ったと明らかにした。
ロンドン南部ガトウィック空港行きの乗客・乗員242人を乗せたボーイング787─8ドリームライナーは12日、インド西部グジャラート州アーメダバードで離陸直後に高度を失い、建物に墜落した。乗客1人を除き、全員が死亡したと発表され、地上でも約30人が死亡。過去10年で世界最悪の航空機事故となった。
エア・インディアとインド政府は、事故の原因を調査するためにエンジン推力、フラップ、離陸時に着陸装置が出たままになっていた理由など、複数の要因を検証している。
今回の事故は、長年老朽化した機材の刷新に努めてきたエア・インディアと、安全と生産に関わる一連の危機を経て人々の信頼回復を目指すボーイングに対して新たな課題を突き付けている。