米、貿易交渉期限延長も トランプ氏「必須」ではない

6月11日、トランプ米大統領は、米国の高関税の発動前に各国との貿易交渉を完了させる期限を現行の7月8日から延長しても構わないが、その必要はないと考えていると述べた。2月13日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/ Kevin Lamarque)
[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、米国の高関税の発動前に各国との貿易交渉を完了させる期限を現行の7月8日から延長しても構わないが、その必要はないと考えていると述べた。
記者団に対し、韓国、日本、欧州連合(EU)を含む約15カ国と貿易交渉を続けていると説明。米国は今後1─2週間以内に、数十カ国に合意条件をまとめた書簡を送り、各国はそれを受け入れるか拒否するかを決めると述べた。
「かなりの数の国と交渉しており、どの国もわれわれと合意したいと考えている」とし、期限延長は「必須」ではないと語った。
ベセント財務長官はこれに先立ち、トランプ大統領がこれまでに表明している相互関税の上乗せ部分の90日間の停止について、合意が得られないままこの期限を迎えた場合、誠意を持って交渉している貿易相手国・地域に対し期限を先送りする用意があると述べていた。
ベセント氏は議会下院の歳入委員会で「欧州連合(EU)を含め、誠意を持って交渉している国・地域については、誠意ある交渉を継続するために、期限を先送りする可能性が極めて高い」とし、「交渉に応じない国・地域にはこうした対応はしない」と述べた。
ベセント氏の発言は民主党議員の質問への回答で、トランプ政権高官が関税停止期限について何らかの柔軟性を示したのは初めて。
ベセント氏はその後、上院歳出委員会の公聴会でも、誠意を持って交渉している国々の交渉期間延長の可能性に改めて言及した。EUについて、これまで強力な提案を示すのが遅かったものの、今は「より誠実」になっていると述べたが、詳細は語らなかった。トランプ大統領も同様の見解を示し、「彼らは交渉を望んでいる」と述べた。
期限の7月8日まであと4週間だが、米政府は現状、主要貿易相手国の英国と予備的な合意を交わしただけだ。
中国との通商協議はこれとは別のスケジュールで進められている。
ホワイトハウスは、トランプ大統領がベセント氏の見解を共有しているかどうかという質問に回答していない。