米企業、大半が価格転嫁でトランプ関税に対応=NY連銀調査

米ニューヨーク地区連銀が4日公表した報告書によると、同地区の企業の大半は先月、トランプ米大統領の関税措置の少なくとも一部を値上げという形で転嫁したことが分かった。2019年3月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米ニューヨーク地区連銀が4日公表した報告書によると、同地区の企業の大半は先月、トランプ米大統領の関税措置の少なくとも一部を値上げという形で転嫁したことが分かった。企業が関税の大幅引き上げへの対応を巡り相当な混乱と不確実性を感じていることも分かった。
同報告書は、5月序盤の時点で「大半の企業が関税引き上げ分の少なくとも一部を顧客に転嫁している」とし、製造業の約3分の1、サービス業の約45%が関税によるコスト増加分の全てを価格引き上げで完全に転嫁していると指摘。両業種の企業の約75%が何らかの形で関税関連のコスト増を価格に転嫁しているとした。
同連銀は、今回の調査はトランプ大統領が対中関税を145%に引き上げた5月2日─9日までの状況を捉えていると言及。調査実施時点で、賦課される関税率予想が製造業の企業で35%だったのに対し、サービス業では26%だった。また製造業の企業が関税対象製品の価格上昇率は20%と回答したのに対し、サービス企業では15%だった。
報告書は「これらの数値は企業の平均関税上昇率にかなり近いものの、輸入業者が他国や米国内のサプライヤーに切り替えた可能性もあるため、関税対象品目について企業が負担するコストは関税ほど上昇していない可能性がある」と指摘。国外の生産者が関税引き上げを相殺するために価格を引き下げた可能性もあると記した。