マツダ、山口・防府工場でEV生産 既存拠点で混流

マツダは4日、2027年に発売を予定している自社開発の電気自動車(EV)を防府工場(山口県防府市)で生産すると明らかにした。既存工場でガソリン車と混流生産し、初期投資と量産までの準備期間を大幅に抑える。写真は3月24日、タイのバンコクで開かれた自動車ショーで撮影(2025年 ロイター/Chalinee Thirasupa)
Maki Shiraki
[防府市(山口県) 4日 ロイター] - マツダは4日、2027年に発売を予定している自社開発の電気自動車(EV)を防府工場(山口県防府市)で生産すると明らかにした。既存工場でガソリン車と混流生産し、初期投資と量産までの準備期間を大幅に抑える。
マツダはこの日、生産ラインをロイターなどに公開した。もともと既存工場で混流生産する方針だったが、どの拠点でつくるかは明らかにしていなかった。専用工場を新設するのに比べ、既存の混流ラインを活用することで初期の設備投資は85%低減でき、量産の準備期間は80%短くできるという。
弘中武都常務執行役員は防府を選んだ理由について、大型スポーツ多目的車(SUV)のプラグインハイブリッド車などをすでに生産しており、「(大型モデルで)電動化を進めてきたことが大きい」と話した。今後、宇品工場(広島市)でも「EVの進展具合を見ながら必要に応じて展開する可能性はある」とした。EVには山口県岩国市に新設する工場で製造する電池を搭載する。
同社は30年の世界販売におけるEV比率を25%━40%と想定しているが、中国を除く主要市場ではEVの成長が鈍化している。弘中氏は、国内の生産体制は「その下限近くを想定して準備を進めている」と述べた。
また、弘中氏はトランプ米大統領の関税政策で影響が懸念される米国向け車両の国内生産について、減少していないことも明らかにした。「キャパシティ(生産能力)はフルにはなっていないが定時のベースで稼動できる状態ではある」と話した。
マツダは24年度、米国で販売した車の約30%を日本から輸出した。同社が3日発表した5月の米国新車販売は前年同月比18.6%減の2万8937台だった。値上がりを懸念した駆け込み需要が一巡したことや、関税発動前に輸入した在庫が少なくなった影響があるとみられている。