ドイツ、法人税軽減策を閣議承認 460億ユーロ規模

ドイツ政府は4日、460億ユーロ(524億3000万ドル)規模の法人税軽減策を閣議で承認した。閣議で4日撮影(2025年 ロイター/Nadja Wohlleben)
Maria Martinez
[ベルリン 4日 ロイター] - ドイツ政府は4日、460億ユーロ(524億3000万ドル)規模の法人税軽減策を閣議で承認した。設備投資の加速償却や電気自動車(EV)購入支援などを通じ、今年から2029年まで企業を支援し、投資を促し、低迷する景気の回復につなげるとしている。
3年間にわたって年最大30%の減価償却率を認める措置も導入する。
ドイツ銀行のエコノミスト、ロビン・ウィンクラー氏は「今回の新しい減価償却ルールは、製造業に歓迎すべき短期的な刺激を与える」とした上で「ドイツ経済の広範な構造転換を促す効果は限定的だろう」と述べた。
クリングバイル財務相は「就任からわずか4週間で、新たな経済力の確保に向けた最初の重要な改革を発表する」とし「早急に必要とされる計画の確実性を経済に提供し、強力な投資インセンティブを創出する」と述べた。
28年から5年間、法人税率を毎年1%ポイント引き下げ、32年に10%にする公約も掲げた。
EV購入を促進するため、購入者向けの一時的な税控除も盛り込んだ。車両購入年に購入価格の75%を減価償却できる。
こうした措置に伴い、今年の税収は25億ユーロ減少し、連立政権下では最後の年となる28年には最大で120億ユーロ減少する見込みだ。
ライヒェ経済相は、エネルギーコストの削減や官僚主義の解消、計画・承認手続きの迅速化に向け、対応策の加速に着手する方針を表明した。
法人税軽減策の発動には議会承認が必要な上、トランプ米政権による高関税政策は輸出依存型のドイツ経済には逆風と懸念されている。