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午後3時のドルは142円後半へ小幅高、売り一服も上値伸びず

2025年06月03日(火)15時49分

 6月3日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅ドル高/円安の142円後半で取引されている。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Shinji Kitamura

[東京 3日 ロイター] -

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅ドル高/円安の142円後半で取引されている。週内にも行われる予定の米中首脳会談を控え、前日までのドル安は一服となったものの、買い上がる手掛かりに欠け、上昇の勢いは乏しかった。

ドルは前日の流れを引き継いで朝方に一時142.40円まで下落し、約1週間ぶり 安値を更新したが、東京市場の売買が本格化すると買い戻しが次第に優勢となり、昼過ぎには143円前半まで切り返した。

日銀の植田和男総裁が3日午前の参院財政金融委員会で、「経済・物価情勢の改善が 見込めない中で無理に利上げすることはない」などと発言したことが、利上げ先送りの思 惑となって、円安圧力が一時強まったとの指摘もあった。

しかし、ドル買いの勢いは長続きせず、午後には再び上値の重い展開となり、142円後半へ反落した。「米関税政策や財政問題への懸念が、ドルの上値を引き続き抑制している」(FX会社ディーラー)との指摘が出ていた。

関税交渉の行方と同時に、市場では今週米国で発表される雇用統計などの主要経済指標に関心を寄せる声も聞かれた。「関税政策がドル売りにつながっているのは、米経済のスタグフレーション懸念を高めるおそれがあるため。指標が弱含みとなるのか、意外な堅調さを示すのかは大きな注目点となる」(JPモルガンチェース銀行・為替調査部の斉藤郁恵氏)という。

ユーロは1.14ドル半ばまで一時上昇し、約1カ月半ぶり高値を更新した。

5日の欧州中央銀行(ECB)理事会は0.25%の利下げ予想が大勢だが「4月の利下げが米関税懸念による金融環境の引き締まりを懸念したものであるなら、今回は据え置きの可能性も否めない。利下げが行われても、その連続性を否定する情報発信があれば、ユーロが騰勢を強める展開もあり得る」(みずほ銀行チーフマーケットエコノミストの唐鎌大輔氏)との予想もあった。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 142.93/142.98 1.1421/1.1423 163.28/163.29

午前9時現在 142.42/142.43 1.1452/1.1455 163.12/163.13

NY午後5時 142.69/142.74 1.1441/1.1443 163.25/163.35

ロイター
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