経済への影響、大きいのは超長期金利より短中期金利=植田日銀総裁

5月28日、日銀の植田和男総裁は、衆院財務金融委員会で、金利変動の経済活動への影響について「超長期金利よりも、短期から中期の金利の変動の影響が大きい」と指摘。5月1日、東京で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Takahiko Wada
[東京 28日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は28日、衆院財務金融委員会で、金利変動の経済活動への影響について「超長期金利よりも、短期から中期の金利の変動の影響が大きい」と指摘。ただ、超長期金利が大きく変動した場合に「その影響が長期や短中期金利に及ぶ可能性もある点にも留意しつつ、市場動向や経済への影響を注意深く見ていきたい」と話した。
桜井周委員(立憲)への答弁。
足元の超長期金利の上昇については、短期的な動きへの具体的なコメントは控えるとした。しかし「市場参加者からは、既存のポジションの巻き戻しや、一部投資家については規制対応が一巡したことによる投資需要の減退等が影響しているとも指摘されている」とし、市場動向を「注意して見ていきたい」と話した。
植田総裁は、関税を巡る米中合意を「前向きな動き」と評価する一方で、日米間を含め多くの通商交渉が進行中であり、先行きどうなるか「引き続き不確実性が高い」と述べた。関税がいずれかの水準に落ち着いたとしても、世界経済や日本経済への影響については「様々な不確実性が依然として残っている」とし、今後のデータや情報を丁寧に確認していきたいと話した。
日銀は1日の展望リポートで、各国の通商政策等の展開やその影響について「不確実性が極めて高い」としていたが、この日の答弁では「極めて」を用いなかった。