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NY外為市場=ドル上昇、米減税法案の下院可決が追い風 ビットコイン最高値更新

2025年05月23日(金)06時02分

ニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。トランプ大統領の大型減税を盛り込んだ税制・歳出法案が下院で可決されたことが一因となった。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 22日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。トランプ大統領の大型減税を盛り込んだ税制・歳出法案が下院で可決されたことが一因となった。一方、低調なユーロ圏指標が嫌気され、ユーロは下落した。

また、暗号資産(仮想通貨)のビットコインは最高値を更新。投資家が米資産の代替を求めたことが背景にあるもよう。

米下院は22日朝、トランプ大統領の大型減税を盛り込んだ税制・歳出法案を僅差で可決。新たな減税措置、軍事費や国境警備への歳出増額を盛り込んでおり、議会予算局によると今後10年間で連邦債務が3兆8000億ドル程度増える見込み。

終盤の取引で、ドル/円は0.1%高の143.75円。一時、7日以来の安値となる142.80円に沈んだものの、切り返した。

ユーロ/ドルは0.3%安の1.1293ドル。S&Pグローバルがまとめた5月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.5と前月から予想外に低下し、好不況の分かれ目となる50を下回った。

主要通貨に対するドル指数は0.3%高の99.905。

ドル/スイスフランは0.5%高の0.8286フラン。

5月の米PMI速報値は52.1に上昇。米中貿易戦争の休戦を受け回復したものの、トランプ大統領による広範な関税政策を背景に価格指数が上昇した。

シルバー・ゴールド・ブルのFX・貴金属リスク管理ディレクター、エリック・ブレガー氏は、大型減税法案が一部ドルへの追い風になったとしつつも、「今日の動きは、前日のドルを手放す動きが幾分巻き戻されたように感じられる。予想を上回る米PMIがそうした動きの一助になった」という見方を示した。

ビットコインは一時、21日終値から3.4%上昇し、最高値となる11万1965.62ドルを付けた。

TP・ICAPのデジタルアセットディレクター、ヒナ・サタール・ジョシ氏は「投資家心理は明らかに伝統的な資産からビットコインへとシフトしており、ビットコインへの資金流入は急加速している」と述べた。

ドル/円 NY終値 144.01/144.02

始値 143.65

高値 144.33

安値 143.28

ユーロ/ドル NY終値 1.1280/1.1281

始値 1.1292

高値 1.1314

安値 1.1257

ロイター
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