成長経済移行「賃上げ起点に」、不確実性へ備えも=骨太骨子案

5月23日、政府が近くまとめる経済・財政運営の指針(骨太方針)の骨子案が判明した。写真は2023年11月、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Takaya Yamaguchi
[東京 23日 ロイター] - 政府が近くまとめる経済・財政運営の指針(骨太方針)の骨子案が23日、判明した。米関税政策に伴う不確実性への備えや、賃上げを起点とする成長型経済への移行策が柱となる。複数の政府関係者が明らかにした。
柱立ては、1)マクロ経済運営の基本的考え方、2)賃上げを起点とした成長型経済の実現、3)中長期的に持続可能な経済社会の実現、4)当面の経済財政運営と2026年度予算編成に向けた考え方――の4項目。26日の経済財政諮問会議で提示する。
マクロ面では、トランプ関税がもたらす世界経済の下振れリスクにどう対応するかが課題となる。対米交渉を通じて措置の見直しを強く求めるのと併せ、海外市場の活力を取り込むため、同志国との「経済的連結性」を高める考えを盛り込む。
石破茂首相が掲げる成長型経済の実現に向けては、賃上げを起点とした手立てを講じる。物価上昇を上回る賃上げを普及させるための施策が念頭にある。
一方、野放図な財政運営を続ければ、海外の機関投資家から厳しい目を向けられかねない。
基礎的財政収支(プライマリーバランス)を25年度に黒字化することを明記した「経済・財政新生計画」を推進するうえで、追加歳出と健全財政をどうバランスさせるかは今後、詰める。諮問会議で議論を重ねたうえ、自民、公明両党との協議も踏まえ、6月13日に新たな方針を閣議決定する。
与党内には、目標達成時期について25、26両年度と幅を持たせる案がある。