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EU、バーゼル3の中核資本規制適用を27年1月に再延期=関係筋

2025年05月23日(金)03時29分

欧州連合(EU)が国際的な銀行の新たな資本規制「バーゼル3」に関して、最終規則の中核部分に当たるトレーディング勘定の抜本的な見直し(FRTB)の適用を再び延期する見通し。写真は3月、ブリュッセルのEU本部で撮影(2025年 ロイター//Yves Herman)

[フランクフルト 22日 ロイター] - 欧州連合(EU)が国際的な銀行の新たな資本規制「バーゼル3」に関して、最終規則の中核部分に当たるトレーディング勘定の抜本的な見直し(FRTB)の適用を再び延期する見通し。関係筋がロイターに明らかにした。

EUは2024年に26年1月からの適用へと1年間延期していた。EUなどの5人の高官によると、今回は27年1月1日まで、さらに1年間延期する。米国や英国の動きの遅れを踏まえたもので、米英の銀行に比べて不利になることを懸念する欧州の銀行からの圧力が背景にある。

バーゼル3は世界金融危機後に策定され、EUはその大部分を適用済み。中国や日本、カナダは導入している。一方、米国は全体の導入を延期しているほか、トランプ米政権は既存の規則の一部緩和の可能性も示唆している。英国もバーゼル3に基づく規則の適用を27年に延期している。

EUの高官によると、欧州委員会のマリアルイス・アルブケルケ欧州委員が5月13日の会合で域内の財務相らに延期を伝えたという。欧州委は、業界や監督当局と協議し、6月末までにFRTBを延期するかどうかを決定すると述べていた。

欧州中央銀行(ECB)はバーゼル3の導入を強く支持してきた。米国などの動きを踏まえて今月に示した妥協案では、未導入の規制の一部に関して、26年から3年間かけて段階的に導入することを想定しているという。

ロイター
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