米関税政策、世界金融システム・経済成長にリスク=スペイン中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのエスクリバ・スペイン中銀総裁は20日、米国の関税政策に起因する地政学的・貿易上の緊張が世界の金融システムの安定と経済成長へのリスクになるとの見方を示した。2024年9月撮影(2025年 ロイター/Susana Vera)
[マドリード 20日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのエスクリバ・スペイン中銀総裁は20日、米国の関税政策に起因する地政学的・貿易上の緊張が世界の金融システムの安定と経済成長へのリスクになるとの見方を示した。
エスクリバ氏は年次報告書で、貿易から経済全般にわたるトランプ米政権の予測不可能な政策は世界経済のリスクのひとつであり、「国際投資家の米国経済に対する信認が悪化する可能性」も不確実性の原因となっていると指摘。
「これら全ての要因は世界経済の成長見通しに決定的な影響を及ぼし、国際金融システムの安定にリスクをもたらす」と述べた。
不確実な環境下において、スペインには明らかに今後数四半期で下振れリスクがあるとのこれまでの見方を維持し、「スペインの対米直接貿易の規模は比較的限られているものの、世界的なサプライチェーン(供給網)や世界的な金融市場を通じた間接的なつながりは重要であり、注意深く注視する必要がある」との考えを示した。