ニュース速報
ビジネス

中国最優遇貸出金利、昨年10月以来の引き下げ 国有銀は預金金利下げ

2025年05月20日(火)12時55分

5月20日、中国人民銀行(中央銀行)は、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を昨年10月以来初めて引き下げた。北京の同銀前で2020年2月撮影(2025年 ロイター/Jason Lee)

[北京 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を昨年10月以来初めて引き下げた。米中貿易戦争が国内経済に及ぼす影響を和らげる狙いがある。

1年物は3.1%から3.0%へ10ベーシスポイント(bp)引き下げ、住宅ローン金利に影響する5年物は3.6%から3.5%へ同幅引き下げた。

また、国有銀行は預金金利を一斉に引き下げ。各行のモバイルアプリに表示されている金利によると、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国銀行は預金金利を5─25bp引き下げた。

普通預金金利は5bp引き下げられ0.05%に、1年物定期預金金利は15bp引き下げられ0.95%になった。3年物と5年物定期預金金利は25bp引き下げられた。

金利決定を受けて銀行株は小幅に上昇。CSI銀行指数は0.7%値上がりしている。

MUFG銀行(中国)のチーフ金融市場アナリスト、マルコ・サン氏は、人民銀行と国有銀行の二重の金利引き下げについて、融資拡大と消費喚起が目的だと指摘。

「外部の地政学的リスクが悪化し、経済が安定するとの期待が後退しない限り、人民銀行は今後数カ月、様子見姿勢に転換する可能性が高い」と述べた。

ANZのシニア中国ストラテジスト、Xing Zhaopeng氏は、今回の金利引き下げは予防的なものだとし「商業銀行の純金利マージンを回復し、将来に備えることが目的の1つだ」と述べた。7月末までにさらに1回の金利引き下げがあると予想している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

援助トラック100台がガザ入りへ、国連がイスラエル

ビジネス

日銀が国債買い入れで意見聴取、一部メガバンクが減額

ビジネス

中国CATL、香港上場初日は16%高 景気懸念でも

ビジネス

英中銀、四半期ごとの利下げ「速すぎる」 とピル委員
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国は?
  • 4
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 5
    【裏切りの結婚式前夜】ハワイにひとりで飛んだ花嫁.…
  • 6
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 7
    実は別種だった...ユカタンで見つかった「新種ワニ」…
  • 8
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 9
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 10
    日本人女性の「更年期症状」が軽いのはなぜか?...専…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 7
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 8
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中