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援助トラック100台のガザ入り許可も配布に遅れ、飢餓の危機続く

2025年05月21日(水)04時47分

国連人道問題調整事務所(OCHA)のラーケ報道官は20日、国連がイスラエルから許可を得て、約100台の援助トラックを同日中にパレスチナ自治区ガザに入れることになったと発表した。ハンユニスでの食料配布、昨年11月撮影(2025年 ロイター/Mohammed Salem/File Photo)

By Emma Farge, Michelle Nichols

[国連/ジュネーブ 20日 ロイター] - 国連は20日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの限定的な人道支援物資の配布再開を許可したが、翌日もまだ援助物資が配布されていないと発表した。専門家は同地区で飢きんが迫っていると警告している。

国連のステファン・デュジャリック報道官は、19日にベビーフードを積んだトラック4台がガザ地区に入ったほか、20日には小麦粉や医薬品、栄養補助食品、生活必需品などを積んだトラック数十台も入ったと述べた。

しかし同報道官は、「今日、国連チームの一つは、イスラエルの許可を得てガザ地区内のケレム・シャロームに入り、支援物資を受け取るために数時間待機した。残念ながら、物資を国連の倉庫に持ち込むことはできなかった」と述べた。

これに先立ち、国連人道問題調整事務所(OCHA)のラーケ報道官は20日、国連がイスラエルから許可を得て、約100台の援助トラックを同日中にパレスチナ自治区ガザに入れることになったと発表していた。

イスラエルは11週間にわたる封鎖の後、19日に9台の援助トラックのガザ入りを許可した。しかしラーケ氏は、実際にガザ地区に入ったのはそのうち5台にとどまったと指摘した。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田明宏保健局長は、イスラエルによる封鎖によりガザ地区で栄養失調率が増加しており、食料不足が続けば状況が急激に悪化する可能性があると警鐘を鳴らした。

ロイター
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