スイス中銀総裁、マイナス金利「排除せず」

スイス国立銀行(SNB、中央銀行)のシュレーゲル総裁は16日、スイス・ルツェルンで講演し、SNBとしてはマイナス金利が好ましくないとしながらも「再びマイナス金利の導入が必要になるという可能性は排除できない」と述べた。1月撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ルツェルン 16日 ロイター] - スイス国立銀行(SNB、中央銀行)のシュレーゲル総裁は16日、スイス・ルツェルンで講演し、SNBとしてはマイナス金利が好ましくないとしながらも「再びマイナス金利の導入が必要になるという可能性は排除できない」と述べた。
シュレーゲル氏はこれまで、インフレ率目標を0-2%とする物価安定の維持のためにマイナス金利を復活させる可能性があると示唆していた。SNBは低インフレとスイスフラン高を理由に、2014年12月から22年9月までマイナス金利を導入していた。
シュレーゲル氏は、6月19日に開く次回の金融政策決定会合での金利に関する見通しを示すことは控えた。現在の金融状況については「十分に適切」だとした。
先週発表されたスイスの4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で横ばいと、4年ぶりの低水準となった。これを受け、SNBが現行の政策金利0.25%からの引き下げを決めるとの観測が強まっている。LSEGのデータによると、市場では6月会合で0%に利下げする可能性を80%、マイナス0.25%にする可能性を20%とみている。
シュレーゲル氏は、SNBの為替介入に関し、スイスフランが上昇し過ぎて物価の安定を脅かす場合に限って行うと説明。輸出業者に競争上の優位性をもたらす目的は否定し「スイスは通貨操作国ではない」と強調した。