物価目標に向け進展、関税で見通しに懸念=ジェファーソンFRB副議長

米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長は14日、最近のインフレ指標はFRBが掲げる2%目標に向けて継続的に進展しているとの認識を示した。2023年6月撮影(2025年 ロイター/Jonathan Ernst)
Howard Schneider
[14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長は14日、最近のインフレ指標はFRBが掲げる2%目標に向けて継続的に進展しているとの認識を示した。同時に、米政権の関税措置が物価を押し上げる可能性があり、見通しは不透明との見方も示した。
ジェファーソン氏はニューヨーク連銀のイベントで4月の消費者物価指数(CPI)の伸びはアナリスト予想を下回ったものの、「インフレの今後の軌道を巡っては不確実性が大きい」と指摘。「これまでに発表された関税率の引き上げが継続されれば、ディスインフレ進展が妨げられ、少なくとも一時的にインフレが上昇する可能性が高い」と述べた。
ジェファーソン氏は5月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを支持。足元の4.25─4.5%の「適度に引き締めた」水準は「今後起こり得る展開に十分対応できる」との考えを示した。
そのほか、労働市場は依然として「堅調」との認識を示し、年初来3カ月間の米経済生産が小幅に縮小したのは経済減速の度合いを誇張した輸入データの歪みによるもので、実際の経済状況を正確に反映したものではないとの見方を示した。
また、企業や家計の心理は悪化しており、「ハードデータにおける経済活動鈍化の兆候を注視している」と説明。今年の経済成長は減速するものの、プラス成長は維持するとの見方を示した。