米財政黒字、4月は23%増の2580億ドル 関税収入急増

米財務省が12日発表した4月の財政収支黒字は、前年同月比23%(約490億ドル)増の2580億ドルとなった。2023年1月撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
Ann Saphir
[12日 ロイター] - 米財務省が12日発表した4月の財政収支黒字は、前年同月比23%(約490億ドル)増の2580億ドルとなった。好調な税収と、関税徴収額の急増が要因。
関税の純収入は160億ドルと、前年比で約90億ドル増加。2年前に記録した過去最高の96億ドルを大きく上回った。トランプ米大統領は4月、中国からの輸入品に対する関税率を145%に引き上げたほか、全ての国・地域に相互関税措置の一律10%の基本税率を課した。
この結果、米国の4月の関税徴収額は1日あたり5億ドル超となった。トランプ氏は、徴収額は1日あたり約20億ドルだと主張している。
2025会計年度(24年10月─25年9月)の4月までの累計では、関税の純収入額は630億ドルと、前年同期の480億ドルから増加。ただこの収入額は、米中が12日、両国の貿易問題を巡る閣僚級協議で、相互に発動した関税率の115%ポイント引き下げで合意したことを受け、減少する可能性が高い。
25会計年度の4月までの累計では、赤字は前年同期比23%(1940億ドル)増の1兆0490億ドル。歳入は3兆1100億ドル、歳出は4兆1590億ドルと、同時期としては過去最高を記録した。
財務省当局者によると、24年度の給付金支払いのカレンダー調整と、カリフォルニア州で繰り延べられていた850億ドルの税収を考慮すると、赤字は4%増加していたという。
調整前の同会計年度累計の歳入は5%増加。源泉徴収税が6%増の2兆1450億ドルとなったことが背景。
調整前の同会計年度累計の歳出は9%増。高齢者向け公的医療保険「メディケア」(16%増の6580億ドル)や、低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」(6%増の3780億ドル)への支出増が寄与した。