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中国ソーラー企業、米関税でインドネシアやラオスに生産移管

2025年05月08日(木)13時07分

 米国が昨年6月と11月にベトナム、マレーシア、タイ、カンボジアからの太陽光パネル輸入に対し追加関税を課した影響で、中国企業はインドネシアやラオスに生産拠点を移し、対米輸出を急増させている。写真はスペイン・ムルシア地方で5月1日撮影(2025年 ロイター/Jose Miguel Cerezo)

Sudarshan Varadhan

[シンガポール 7日 ロイター] - 米国が昨年6月と11月にベトナム、マレーシア、タイ、カンボジアからの太陽光パネル輸入に対し追加関税を課した影響で、中国企業はインドネシアやラオスに生産拠点を移し、対米輸出を急増させている。

ロイターの調査で明らかになった。米貿易統計によると、インドネシアとラオスの米国市場でのシェアは、2023年の1%未満から24年11月の関税第2弾発動後3カ月間で約29%へ拡大した。

ベトナム、マレーシア、タイ、カンボジアからの輸出は昨年6月の関税第1弾発動後の9カ月間で前年比33%減少。一方、関税を免れたインドネシアとラオスの輸出は約8倍に増加した。

アナリストは中国勢による生産移管が関税政策の効果を限定的にしていると指摘する。

コンサルティング会社ライスタッド・エナジーの太陽光発電リサーチアナリストによると、今後、米国がインドネシアやラオスにも関税を拡大する可能性があるとの見方から、中国企業はトルコや中東・アフリカ諸国への生産移転も検討している。

シンクタンクのエンバーによると、中国国内の太陽光パネル工場は、高関税により米国市場からほぼ締め出されてきたが、アジアやアフリカ向けの販売を増やしている。

欧州市場では在庫が積み上がっており、今年第1・四半期の中国のアジア向け輸出の比率は全体の37%と、欧州の34%を上回った。

ロイター
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