FRB議長「解任しない」とトランプ氏、利下げなお要求 市場好感

4月22日、トランプ米大統領は、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長(写真)を解任する意向はないが、FRBは金利を引き下げるべきだと述べた。2017年11月、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)
Nandita Bose
[ワシントン 22日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長を解任する意向はないと述べる一方、FRBは金利を引き下げるべきだと改めて主張した。
先週以来、利下げに応じないパウエル氏への批判を強めていたが、解任の可能性を巡る主張をトーンダウンさせた。
ホワイトハウスで記者団に「(パウエル議長を)解任するつもりはない」と明言。その上で「金利を引き下げるという考えについて、もう少し積極的になってほしい」と要望。「われわれは利下げを行うには絶好のタイミングだと考えており、議長には遅れることなく、早めか適切な時期に行ってもらいたい」と語った。
市場はこの発言を好感し、米株先物は約2%上昇した。米国市場では、トランプ氏が連日パウエル氏の批判を繰り返したことを受け、週明けも株価、債券、ドルの「トリプル安」が続いていた。
エバーコアISIのクリシュナ・グハ副会長は「パウエル議長解任を試みた場合に市場に何が起こるかを月曜日に痛烈に予感させたのか、それとも最初から計画されていたのかはさておき、これは明らかにプラス材料だ」と指摘。スタグフレーションや、関税危機が債務危機に変化するといった最悪の事態が起きる恐れは大幅に低下するが、リスクはなお残ると述べた。
一方、トランプ氏は中国との貿易交渉について楽観的な見方を示し、これも市場心理を押し上げた。協定が成立すれば中国製品に対する関税が大幅に引き下げられると述べたが、「ゼロにはならないだろう」とも指摘した。