ニュース速報
ビジネス

OECD、25年の英成長率予想引き上げ インフレ率上昇も警告

2024年12月04日(水)20時20分

OECD(経済協力開発機構)は4日に公表した最新の世界経済見通しで、来年の英経済成長率予想を上方修正した。ロンドンの高層ビル街で7月撮影。(2024年 ロイター/Hollie Adams/File Photo)

Andy Bruce

[4日 ロイター] - OECD(経済協力開発機構)は4日に公表した最新の世界経済見通しで、来年の英経済成長率予想を上方修正した。政府支出の急拡大を理由に挙げた。ただ、インフレ率も押し上げられ、主要7カ国(G7)で最高水準になる可能性があるとの見方も示した。

OECDは今年の経済成長率予測しを従来の1.1%から0.9%に引き下げる一方で、25年の見通しを前回の1.2%から1.7%に引き上げた。

新型コロナのパンデミック(世界的流行)時の急激な変動を除けば、17年以来の高成長となる。OECDは来年英国よりも速い成長が見込まれるのはカナダと米国のみと予測している。

リーブス財務相は、OECDの予測に基づくと、英国は今後3年で欧州のG7メンバーで最も高い成長が見込まれると指摘した。

しかし、OECDは26年には成長率が1.3%まで鈍化し、景気回復は一時的なものになる可能性があると警告している。

財政緩和の前倒しにより、政府支出と投資が25年の成長を押し上げるが、その後は増税が個人消費の重荷となり、政府の追加借り入れが企業投資を圧迫するとの見方を示した。

また25年のインフレ率が平均2.7%となり、G7諸国の中で最も高水準になると予想した。

他国と比べて賃金の伸びが堅調なことやサービス価格が上昇していることを理由に、「国内の物価圧力は依然として残っている」と分析した。家賃は10月までの1年間で、OECD加盟国で最も大幅な伸びを記録した。

OECDは公的財政が逼迫していることから、英国が将来的に経済に起こり得るショックに対処する能力は限られていると警告した。世界的なエネルギー価格の上昇や、政府支出の大幅な増加を背景とした持続的な価格上昇圧力により、金融政策をより長期間引き締めざるを得なくなる可能性が含まれるとした。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英少女3人殺害事件、18歳被告に禁錮最短52年の判

ビジネス

大手投資会社の一部は仮想通貨に傍観姿勢、ビットコイ

ワールド

米政権、反DEIで官僚機構再編 トランプ氏「実力主

ビジネス

日銀、賛成多数で利上げ決定 翌日物誘導目標を0.5
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 3
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ人の過半数はUSスチール問題を「全く知らない」
  • 4
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 5
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 6
    「後継者誕生?」バロン・トランプ氏、父の就任式で…
  • 7
    電気ショックの餌食に...作戦拒否のロシア兵をテーザ…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    欧州だけでも「十分足りる」...トランプがウクライナ…
  • 10
    【トランプ2.0】「少数の金持ちによる少数の金持ちの…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 7
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 10
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中