ニュース速報
ビジネス

国債先物は大幅続伸、長期金利4カ月ぶり0.7%台 米金利に追随

2024年08月05日(月)15時51分

 8月5日の東京円債市場で、国債先物中心限月9月限は、前営業日比2円26銭高の146円06銭と大幅続伸して取引を終えた。写真は円紙幣。2010年8月撮影(2024年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 5日 ロイター] - 5日の東京円債市場で、国債先物中心限月9月限は、前営業日比2円26銭高の146円06銭と大幅続伸して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同20.5ベーシスポイント(bp)低下の0.750%と、4月2日以来約4カ月ぶりの低水準をつけた。米景気減速懸念を背景に米金利が急低下した流れが波及した。

国債先物は、米金利低下を受けて朝から買い優勢の展開が続いた。前営業日比2円高で一時、サーキットブレーカーが発動された時間帯もあった。

米雇用統計の弱い結果を受けて、連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測が台頭し、10年国債利回り(米長期金利)がアジア時間の取引でも一段と低下して1年ぶり低水準となったこと[L6N3JS03D]が円債買いの材料となった。

りそなホールディングス市場企画部の佐藤芳郎エコノミストは「米10年金利3.7%で円10年金利が0.8%というのが当社で試算する理論値だ。きょうの円金利低下は、米国の景気後退を織り込むような動きで米金利が急低下したことに追随した動きだ」との見方を示した。

同氏は現時点では年内にも日銀の追加利上げとのシナリオが崩れたまでとは言えないとしつつ、「米景気がどうなっても日銀が賃金と物価が想定通りだと言って正常化を進められるのかとの疑念はやはりある。今週7日の内田真一副総裁の記者会見でそうした質問が出ないとは思えず、そこでの発言に注目している」と述べた。

現物市場で10年物以外の新発国債利回りも総じて大幅低下。2年債は前営業日比15.0bp低下の0.260%、5年債は同21.5bp低下の0.360%、20年債は19.0bp低下の1.530%、30年債は同16.5bp低下の1.910%、40年債は同18.0bp低下の2.135%。

短期金融市場で無担保コール翌日物の加重平均レートは、前営業日(0.227%)から横ばい圏の見通し。「参加者の顔ぶれも変わらず、引き続きビッドサイドの調達ニーズが強い。資金を出し渋るような動きもみられない」(国内金融機関)との声が聞かれた。

大阪取引所のTONA3カ月金利先物の9月限(最終取引月は24年12月)は同0.0325高の99.7700。

TRADEWEB

OFFER BID 前日比 時間

2年 0.254 0.262 -0.149 15:08

5年 0.356 0.365 -0.218 15:13

10年 0.748 0.756 -0.204 15:09

20年 1.522 1.536 -0.19 15:13

30年 1.897 1.911 -0.174 15:12

40年 2.124 2.132 -0.202 15:13

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米FRB、年内2回の追加利下げが適切=ミネアポリス

ビジネス

アングル:日銀利上げ判断、米クリスマス商戦がヤマ場

ワールド

お知らせ=重複記事を削除します

ビジネス

英中銀の年内利下げ観測後退、ゴールドマンやモルガン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 3
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中