ニュース速報
ビジネス

インタビュー:ウェルスマネジメントでグループの連携強化=SMBC日興社長

2024年06月19日(水)12時23分

SMBC日興証券の吉岡秀二社長は、ロイターとのインタビューで、個人が保有する資産を包括的に管理するウェルスマネジメント事業で、三井住友フィナンシャルグループとの連携を強化して取り組む方針を示した。写真はインタビューに応じる吉岡社長。都内で7日撮影。(2024年 ロイター/Issei Kato)

Ritsuko Shimizu Anton Bridge

[東京 18日 ロイター] - SMBC日興証券の吉岡秀二社長は、ロイターとのインタビューで、個人が保有する資産を包括的に管理するウェルスマネジメント事業について、三井住友フィナンシャルグループとの連携を強化して取り組む方針を示した。

資産運用を考える顧客の中には、不動産やローン、相続のサービスも一緒に受けたいというニーズが高いという。同社では、資産運用を切り取って証券が行うのではなく、資産管理サービスをできる社員が銀行に出向する体制を取っている。3年前に10人でスタートし、現在は88人が出向している。富裕層を中心としたウェルスマネジメント分野は、他の証券会社も力を入れており、競争が激しくなっているが、吉岡社長は「15年前にSMFGの傘下に入り、顧客の紹介も受け、成長ドライバーのひとつになってきた。FGベースで物を考え、より大きな顧客ベースにアクセスして、われわれの対面の力を訴求していく」と話す。

吉岡社長は、顧客と対面でアドバイスできることは強みと強調。特に、富裕層の顧客はそうしたサービスを必要としていると指摘する。

同社は、2017年から米ブラックロックのリスク分析エンジンを活用した資産管理サービスツールを導入し、期待リターンやリスクを客観的な数字として提示し、資産運用のアドバイスを行っている。「これまで2万口座の限られた顧客向けに使っていたが、機能を高度化し、今夏から担当が付いている63万口座全てに範囲を広げる」とした。政府が資産運用立国を掲げ、日本でも資産運用が浸透するにあたって、個人もリスクやリターンを自ら考えることの助けにもなるとみている。

日本では、ようやくデフレ脱却が視野に入り、金融政策も正常化に向けて動き始めた。吉岡社長は「ある程度金利が出てくると、ポートフォリオの考え方は訴求しやすくなる。投資環境は整ってきているような気がする」と述べ、日本に資産運用が根付くよう貢献してきたいと話した。

吉岡氏は、相場操縦事件をめぐり「再建の道筋がついた」として退任した近藤雄一郎前社長の後任として、4月1日付で社長に就任した。経営企画共同部長、常務執行役員グローバル・マーケッツ共同統括兼エクイティ共同本部長などを歴任してきた。

*インタビューは7日に実施しました。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中