ニュース速報
ビジネス

欧州は生産性向上、中国は消費拡大が成長の課題=IMF専務理事

2024年04月19日(金)07時42分

 4月18日、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、世界主要地域の経済に関する分析として、米国は期待以上の成長を続けていると評価した一方、欧州は生産性向上、中国は個人消費拡大が課題だとの見方を示した。米首都ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Kevin Lamarque)

David Lawder Andrea Shalal

[ワシントン 18日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は18日、世界主要地域の経済に関する分析として、米国は期待以上の成長を続けていると評価した一方、欧州は生産性向上、中国は個人消費拡大が課題だとの見方を示した。

ゲオルギエワ氏は、米国は技術革新を適切に方向付けして大規模な企業活動に落とし込んでいると指摘。また国内で生産が可能なエネルギーの価格が抑制され、移民のおかげで大幅な賃上げなしに潤沢な労働力を確保していると付け加えた。

一方で欧州と中国では、高齢化や資本配分の非効率性などが成長の足かせになっていると述べた。

その上で欧州に関しては「技術革新の力を解き放つという面で、まだやるべきことがある」と強調し、特許コストを巡る米国と欧州連合(EU)の格差はその一例だと説明。人的資本への投資拡大を通じてよりダイナミックな労働市場を生み出したり、資本配分をもっと適正化したりすることもできると表明した。

不動産危機を背景に内需が低迷する中国に対しては、数十年にわたる投資と輸出主導の成長モデルを個人消費主導に転換するべきだと改めて訴えた。

ゲオルギエワ氏は「(中国が)成長の原動力として国内に目を向ける時期がきている」と語り、消費者信頼感を上向かせるためにはまず不動産危機の解決に手をつけるべきだと提言した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

スイスUBS、1万人規模の追加削減の可能性=報道

ワールド

米最高裁、出生地主義を見直す大統領令の合憲性審理へ

ワールド

中国に強く抗議し再発防止を申し入れ、レーダー照射で

ビジネス

ネトフリのワーナー買収、米与野党議員から独禁法違反
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中