高排出企業向け融資、銀行が広報活動で隠蔽=ECBブログ

欧州中央銀行(ECB)のエコノミストらは6日、ユーロ圏では環境意識が高いとアピールしている銀行ほど、ブラウン産業(炭素集約型産業)への融資が多いと指摘、銀行は広報活動を通じてそうした産業への支援を隠蔽しているとのブログを掲載した。ECB本部で3月撮影。(2023年 ロイター/Heiko Becker/File Photo)
[フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のエコノミストらは6日、ユーロ圏では環境意識が高いとアピールしている銀行ほど、ブラウン産業(炭素集約型産業)への融資が多いと指摘、銀行は広報活動を通じてそうした産業への支援を隠蔽しているとのブログを掲載した。
エコノミストらは銀行の公開情報と詳細な融資データを突き合わせて分析。「銀行に融資の方針を変更させるインセンティブが不十分だ」と指摘した。
ブログはECBのエコノミスト1人と学者3人が執筆したもので、必ずしもECBの見解を反映しているわけではない。
ブログによると、広報活動と実際の融資活動の乖離は、特に世間の注目度が低い中小企業向けの新規融資で目立つ。銀行には融資先との関係を悪化させたくないとの思いや、支援を停止すれば取引先の経営が悪化し融資が焦げ付くとの不安があるとみられるという。
ブログは、銀行が自行の利益を守るため、高排出企業の存続に手を貸すという循環が生じていると指摘している。