ニュース速報

ビジネス

米大手銀、賃上げで今年は人件費増加 人材獲得競争が激化

2022年01月19日(水)17時13分

インフレ圧力や新型コロナウイルスの感染リスク、労働市場の逼迫により、米大手銀行は今年、労働力を確保するために賃金を引き上げざるを得ず、人件費が膨らむとみられる。写真はニューヨーク、ゴールドマン・サックス本部のビル。21年5月撮影。(2022年 ロイター/Brendan McDermid )

[ニューヨーク 19日 ロイター] - インフレ圧力や新型コロナウイルスの感染リスク、労働市場の逼迫により、米大手銀行は今年、労働力を確保するために賃金を引き上げざるを得ず、人件費が膨らむとみられる。

JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスの各行は2021年に賃金を引き上げ、数行は来年の経費見通しを上方修正した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのエミリー・ポートニー最高財務責任者(CFO)は18日、ロイターのインタビューで「人材獲得競争は間違いなく激しくなっており、それが賃金インフレに表れている」と述べた。低賃金層でも賃金が上昇しているという。

ゴールドマンが18日発表した第4・四半期決算は、営業費用が23%増加した。報酬と福利厚生費の増加が主な要因。同社は8月に2年目のアナリストと1年目のアソシエイトの給与を12万5000ドルと15万ドルにそれぞれ引き上げている。

バンク・オブ・アメリカは10月に最低時給21ドルに引き上げた。25年までに25ドルにする計画の一環。ウェルズ・ファーゴも昨年末に最低時給を18─22ドルに引き上げた。

ウェルズ・ファーゴのマイク・サントマッシモCFOは先週、22年の賃金・福利厚生関連コストが5億ドル増加するとの見通しを示した。最低賃金の上昇などを理由に挙げた。

JPモルガンは第4・四半期の非金利経費が報酬の増加などにより11%増加した。

ゴールドマンのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は「経済のあらゆる場所で実質的な賃金インフレが起きている」と述べた。

MUFGのグローバル・フィナンシャル・インスティテューションズ・グループの共同責任者を務めるマーク・ドクトロフ氏は、他の業界のほうが魅力的なため人材が集まりにくく、労働力が不足する傾向は銀行業界も例外ではないと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

OECD、世界経済見通し引き上げ 日本は今年0.5

ワールド

ロシア製造業PMI、4月は54.3 3カ月ぶり低水

ビジネス

午後3時のドルは155円半ば、早朝急落後も介入警戒

ビジネス

日経平均は小幅続落、連休前でポジション調整 底堅さ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中