ニュース速報

ビジネス

アクサ資産運用部門、石油ガスへの投資基準厳格化 3年で引き揚げも

2021年11月09日(火)14時18分

 11月8日、仏保険大手アクサの資産運用部門、アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサIM)は、石油ガス企業による環境への影響を軽減するため投資基準を厳格化すると発表し、温暖化ガス排出削減計画が不十分な企業からは3年で投資を引き揚げる方針を示した。写真はフランスのレ・ソリニエールで5月撮影(2021年 ロイター/Stephane Mahe)

[グラスゴー 8日 ロイター] - 仏保険大手アクサの資産運用部門、アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサIM)は8日、石油ガス企業による環境への影響を軽減するため投資基準を厳格化すると発表し、温暖化ガス排出削減計画が不十分な企業からは3年で投資を引き揚げる方針を示した。

英グラスゴーで開催中の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、石油ガス部門への投資方針の見直しの一環として発表した。

アクサIMは2022年初めから、総生産の5%超をオイルサンドが占める企業を投資対象から外す。これまでは20%を基準としていた。

北極圏監視評価プログラム(AMAP)地域の生産が全体の10%超を占める企業や、30%超をシェール生産またはフラッキング(水圧破砕法)に依存する企業からも投資を引き揚げる。

こうした投資基準の厳格化で捕らえられないエクソンモービルやBPといった石油メジャーなどに対しては、環境目標について会社側に働き掛けていく方針だ。

科学的根拠に基づく排出削減目標の策定を促す「SBTイニシアチブ」の枠組みに沿って企業が科学に基づく時宜を得た目標を設定したかどうかをベースに、「十分な進展」がなければ3年で投資を引き揚げる。

アクサIMのマルコ・モレリ会長は声明で「企業の前進や強いコミットメントが見られなければ、投資を引き揚げる用意が必要だ」とコメント。

「(排出を実質ゼロにする)ネットゼロへの道は転換の問題だ。適応する時間を企業に与える必要はあるが、気候変動を真剣に受け止めない投資先企業に対しては、妥協のない姿勢を取らねばならない」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ソロモン諸島、新首相に与党マネレ外相 親中路線踏襲

ワールド

米UCLAが調査へ、親イスラエル派の親パレスチナ派

ワールド

米FTC、エクソンのパイオニア買収を近く判断か=ア

ビジネス

インタビュー:為替介入でドル160円に「天井感」=
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 9

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 10

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中