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米4月新築住宅販売1.5%減、1─3月全て下方改定
[ワシントン 23日 ロイター] - 米商務省が23日発表した4月の新築一戸建て住宅の販売戸数(季節調整済み)は、年率換算で前月比1.5%減の66万2000戸と、市場予想の2.0%減の67万9000戸ほど落ち込まなかった。
前年同月比は11.6%増だった。
商務省は今回の統計で、2013年までさかのぼり数字を改定した。3月の販売戸数は当初発表の69万4000戸から67万2000戸へ下方改定された。2月と1月の数字も下方改定された。
新築住宅は、住宅市場全体の約11%を占める。新築住宅販売は建設許可件数を基に導き出しており、月次の数字は乱高下する傾向がある。
中古住宅市場で在庫が不足していることが新築住宅の売り上げを押し上げている。ただ建設業者は住宅需要に追いつけていない。底堅い労働市場を背景に需要が大きい中で、木材の値上がりや用地・労働力不足に直面しているからだ。
在庫不足は住宅価格の上昇につながっている。同時に、住宅ローン金利は7年ぶりの高水準となっており、住宅は特に初めての購入者にとって手が届きにくい状況となっている。初めての住宅購入者は全体の3分の1弱を占める。
米連邦住宅抵当貸付公社(フレディマック)によると、17日までの週の30年固定住宅ローン金利は平均で4.61%と、11年5月以来の高水準となった。前週は4.55%だった。米国の物価上昇圧力に対する懸念が高まる中で米国債利回りが上昇しており、住宅ローン金利もそれに合わせて上がっている。
MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「新築住宅販売が大きく落ち込む兆しはない。つまり、金利上昇の影響はまださほど出ておらず、販売は懸念すべきほど圧迫されてはいない」と分析した。
新築一戸建て住宅販売の地域別は、最大市場の南部が0.3%増。北東部は11.1%増。中西部は横ばいだった。一方西部は7.9%減減少した。
新築住宅の中間価格は前年同月比0.4%下落の31万2400ドルだった。在庫は前月比0.7%増の30万戸と、9年ぶりの高水準。ただ、06年の住宅バブルのピーク時と比べ半分余りの水準にとどまっている。
4月の販売ペースから計算した在庫消化に必要な期間は5.4カ月だ。3月は5.3カ月だった。
4月に販売された新築住宅の約3分の2が建設中かこれから建設するものだった。
キャピタル・エコノミクスの不動産エコノミスト、マシュー・ポイントン氏は「新築住宅の在庫は比較的健全な水準にある一方で、その多くは高額な部類に入り、初めての購入者の大半には手が届かない」と指摘した。
*内容を追加します。