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NY市場サマリー(8日)

2018年01月09日(火)07時23分

[9日 ロイター] - <為替> ドルが上昇。最近上昇していたユーロに利益確定売りが出る中、ドルは対主要通貨バスケットで約1週間ぶり高値をつけた。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.46%上昇し、92.368.

ユーロ/ドルは0.57%安の1.196ドル。ユーロは前週、対ドルで4カ月ぶり高値を更新していた。

ジェフェリーズの為替マネジング・ディレクター、ブラッド・ベクテル氏は「ユーロは1.20ドルを上抜け、幾分行き過ぎの感があった」と指摘。「そのためユーロに利食い売りが出ているほか、健全な調整が入り、ドルを幾分押し上げている」と語った。

前週5日に発表された12月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)が前月から鈍化したことは引き続きユーロへの圧迫材料となった。反面、前週発表された米指標は概ね堅調な内容で、ドル上昇の一助となった。

前出のベクテル氏は「クリスマス以降のドル売りはやや行き過ぎており、それを一部取り戻している」と指摘した。

ポンドは対ユーロで上昇。英国で行われた内閣改造が、政治的不透明性を一部解消したことを好感した。

カナダドルは対米ドルで小幅安。カナダ中銀がこの日発表した第4・四半期の企業景況感調査からは、同国の企業は概ね将来の売上高動向を楽観視していることが明らかになった。同時に、これまでの好調な勢いはやや鈍るほか、労働力の不足などが加速するとの見通しも示された。

仮想通貨ビットコインは下落。ビットスタンプ取引所の直近の取引で6.35%安の1万5100.04ドル。韓国金融監督当局が仮想通貨の口座を提供する国内6銀行を対象とした合同検査の実施を発表したことなどを受け、一時1万3900ドルまで下げる場面もあった。

<債券> 国債利回りがほぼ変わらず。

ドイツ国債に需要が集まったほか、連邦準備理事会(FRB)当局者が年内の利上げが2回にとどまる可能性を示したことが注目された。

キャンター・フィッツジェラルドのアナリストは「全般的に非常に静かな取引となった。この日の早い段階では、欧州とドイツ国債の値動きにやや追随していた」と語る。

ドイツ10年債利回りは一時、0.41%と昨年12月28日以来の水準にまで下がった。

ボスティック米アトランタ地区連銀総裁は、賃金や物価圧力の低迷などを背景に、今年必要な利上げ回数は2回以下にとどまる可能性があるとの見方を示した。

また、米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は、FRBが金融政策決定の新たな枠組みに物価水準目標を採用することは、将来のリセッション(景気後退)を予防する一助になり得るとの見解をあらためて示した。

市場の関心は、9日の3年債、10日の10年債、11日の30年債入札に集まる。

DAダビッドソンの債券部門幹部は「10年債利回りが2.40━2.50%のレンジ内での取引となっているもようで、一部投資家の関心を集めるだろう」「より長期の債券需要が大きい」と話した。

10年債利回りは米東部時間午後2時44分(日本時間9日午前4時44分)時点で2.478%。5日は2.476%で終了していた。

3年債利回りは、この日の早い時間帯につけた10年ぶり高水準(2.07%)付近で推移した。

<株式> まちまちで取引を終えた。S&P総合500種は小幅高となる一方、ヘルスケア関連株と金融株が相場を圧迫。決算発表を控えているほか、今年に入ってからの上昇を受け、騰勢が一服した。

<金先物> 利益確定の売りに押され、12営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値 は、前週末比1.90ドル(0.14%)安の1オンス=1320.40ドル。

相場は前週末5日、中心限月の清算値としては昨年9月15日(1325.20ドル)以来約3カ月半ぶりの高値を付けていた。しかし、1325ドル付近の節目を抜けなかっ たため、この日未明ごろから徐々に値を崩してマイナス圏に転落。外国為替市場でドル安・ ユーロ高に歯止めが掛かり、ドル建て商品の割安感が薄れたことなどが引き金となり、利 益確定の売りが台頭した。

<米原油先物> 供給過剰懸念の後退などを背景に買いが優勢となり、反発した。米国産標準油種 WTIの中心限月2月物の清算値は前週末比0.29ドル(0.47%)高の1バレル= 61.73ドル。3月物は0.31ドル高の61.72ドルとなった。

米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが前週末5日に公表した同日までの1週間の原 油掘削リグ稼働数は前週比5基減の742基となった。これを受けて、供給増の懸念が後 退したことから、原油に買いが入った。また、イラン政情不安も引き続き相場を支えた。

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