ニュース速報

ビジネス

独インフレ率、17年は5年ぶり高水準 ECB内のタカ派勢い付く可能性

2017年12月30日(土)03時31分

[ベルリン 29日 ロイター] - ドイツの消費者物価指数(CPI)が欧州連合(EU)基準(HICP)で2017年は平均1.7%上昇したことが独連邦統計庁の統計で分かった。2012年以来5年ぶりの高水準となり、欧州中央銀行(ECB)の今後の政策運営を巡り意見が一段と割れる可能性がある。

統計庁がこの日に発表した12月のCPI速報値は、EU基準で前年比1.6%上昇し、ロイターがまとめた予想の1.4%を上回った。前月比では0.8%の上昇となり、予想の0.6%を上回った。

国内基準では前年比1.7%上昇、前月比0.6%上昇。予想はそれぞれ1.5%と0.5%の上昇だった。

統計庁は物価押し上げの最大の要因は食料品価格の上昇、次いで家賃の上昇だったとしている。

バンクハウス・ランペのアレクサンダー・クルーガー氏は「ECBはこうしたインフレ率の軌道修正を待ち望んでいた。しかもこれは持続可能のようにみえる」としている。

ドイツ経済は消費と輸出の双方にけん引され力強く拡大。一部エコノミストの間ではECBの低金利政策によりドイツ経済が過熱するとの懸念も出ている。こうしたなかドイツ政府は成長率予想について2017年は2%、18年は1.9%にそれぞれ上方修正。独連邦銀行(中央銀行)も18年の成長率予想を2.5%に引き上げた。

ECBは今月の理事会で必要な限り金融緩和を維持する方針を表明。ユーロ圏19カ国すべてに適した金融政策運営を行っているとしているが、今回の独CPI統計を受け、ECB理事会内でクノット・オランダ中銀総裁らのタカ派の主張が勢い付く可能性がある。ECBの次回の理事会は来年1月25日。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年1月以来の低水準

ワールド

アングル:コロナの次は熱波、比で再びオンライン授業

ワールド

アングル:五輪前に取り締まり強化、人であふれかえる

ビジネス

訂正-米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中