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ボーイングとエンブラエル、提携の可能性を協議と発表

2017年12月22日(金)08時36分

[サンパウロ/リオデジャネイロ 21日 ロイター] - 米ボーイングとブラジルの航空機製造エンブラエルは21日、提携の可能性について協議していると明らかにした。ただ具体的にどのような形での提携になるのかについては公表していない。

これを受けエンブラエル株はニューヨーク、サンパウロの両市場で20%以上急騰し、引け値ベースの時価総額は45億ドルに上った。米株式市場のボーイング株は1%近く下落。

エンブラエルは2006年に完全民営化。ただ現在もブラジル政府が黄金株を握り、事業戦略に関する決定を拒否する権利を有する。ブラジル政府高官はロイターに対し、政府は民間機事業でのボーイングとの提携は支持するが、買収に向けたいかなる試みも阻止すると述べた。

ボーイングと競合する欧州航空機大手エアバスは2カ月前に、カナダ重工大手ボンバルディアの小型旅客機「Cシリーズ」事業の過半数を取得すると発表したばかり。Cシリーズはエンブラエルの「Eジェット」と競合する。ロイターはこの発表が、ボーイングとエンブラエルの関係強化につながる可能性を報じていた。

ブラジルのテメル大統領は国有電力会社の民営化など、市場寄りの政策を打ち出してきたが、現地新聞フォルハ・デ・サンパウロによると、大統領は21日に軍関係者に対し、「エンブラエルがわたしの政権下で売却されることは絶対ない」と述べたという。

ブラジル国防省の広報担当は、協議に悪影響を及ぼしかねないため、政府がコメントするのは時期尚早と述べた。同省は軍事計画でエンブラエルと密接な関わりがある。

ボーイングとエンブラエルは滑走路の安全整備や代替ジェット燃料などの分野ですでに提携。最近ではボーイングがエンブラエルの軍用輸送機「KC─390」の共同販売とサポートを確約するなど、両社は提携を深めていた。業界関係筋は、両社はパートナーシップの強化に向け長らく水面下で動いていたとしている。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、ボーイングがエンブラエル買収に向け協議していると報道。ボーイングは、ブラジル政府の承認を得るため、エンブラエルのブランド、経営陣、従業員を守る措置を講じる用意があり、同社の軍事部門に対する政府の権益も保護する姿勢だと伝えた。

*情報を追加しました。

ロイター
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