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NY市場サマリー(15日)

2017年12月16日(土)07時25分

[15日 ロイター] - <為替> ドルが対主要6通貨バスケットで上昇した。米議会共和党の税制改革法案取りまとめ作業が大詰めを迎え、年内通過への期待が高まった。ドル指数は0.49%高の93.944。

税制改革が実現すれば、国内成長を押し上げ、利上げ回数の増加やドル高につながる可能性を予想する向きも多い。

年末休暇シーズンを控え投資家らが取引を手仕舞うなか、税制改革法案が年内最後のビッグイベントとみられている。

取引高が縮小する前に資金を確保しようと各金融機関が動く中、他行から短期のドル資金を借りる際のコストが2012年以来の水準に急上昇した。

「クロスカレンシー・ベーシス・スワップ」のユーロ/ドル3カ月物は100ベーシスポイント(bp)と、月初めのマイナス52bp程度から拡大した。

<債券> 国債の長短利回り格差が10年来の水準に縮小。市場では、連邦準備理事会(FRB)が短期金利の引き上げを継続するなかでも、長期インフレは落ち着いて推移するとの見方が根強い。

FRBは今週、今年3度目となる利上げに踏み切るとともに、来年は今年と同様、3回の利上げがあるとの見通しを示した。イエレンFRB議長は任期中最後となる記者会見で、当局者らが米経済成長見通しを引き上げる一方、インフレ見通しについては、実現し得る税制改革の効果を勘案してもなお従来予想を据え置いたことを明らかにした。

5年債と30年債の利回り格差は一時52.80ベーシスポイント(bp)と、2007年10月以来の水準に縮小。その後は53.1bp近辺で推移した。同利回り格差は昨年12月以降、60bp縮小している。

商品先物取引委員会(CFTC)の直近のデータによると、アセットマネジャーは過去数週間、先物市場でイールドカーブのフラット化のポジションを積み上げる一方、レバレッジドファンドは反対にイールドカーブのスティープ化のポジションをとっている。

<株式> 主要株価3指数がそろって過去最高値を更新した。法人税減税を含む米税制改革の実現への期待を追い風に、幅広い銘柄に買いが入った。

税制改革法案に反対を表明していたルビオ、コーカー議員がこの日、支持に回る意向を示したことを受け、議会通過の可能性が強まった。税制改革が実現すれば、法人税率は現在の35%から21%に引き下げられる見通し。議会共和党は同日、税制改革法案の最終案を公表する。

週間では、S&P総合500種とダウ工業株30種は4週連続で上昇。ナスダック総合は過去3週間で初の上昇となる。

S&Pハイテク、S&Pヘルスケアが上昇を主導し、それぞれ1.24%、1.17%上昇。S&P金融も1.04%高で終了。

この日下落したのはS&Pエネルギーのみで0.03%安。

S&P主要消費財は1.12%高。会員制倉庫型ストアのコストコ・ホールセールが好決算を追い風に3.7%上昇し、同セクターの上げを主導した。

米鉄道輸送大手CSXは7.6%安。同社の再建計画を指揮してきたハンター・ハリソン最高経営責任者(CEO)が突然、医療休暇に入ったことが嫌気された。

<金先物> ほぼ横ばいとなった。中心限月2月物の清算値は前日比0.40ドル(0.03%)高の1オンス=1257.50ドルとなった。週間では0.73%高と、4週間ぶりにプラスに転じた。早朝にかけて外国為替市場でドル売り・ユーロ買いが先行していたことから、金相場は朝方までは堅調に推移。12月のニューヨーク州製造業景況指数が18.0と、11月の19.4から小幅低下し、市場予想(ロイター通信調べ)の18.6も下回ったことも、安全資産とされる金には若干の支援材料となっていた。しかし、その後は米税制改革法案の年内成立への根強い期待などを背景にドルがユーロに対して買い戻され、ドル建てで取引される金塊などの商品の割安感が薄れたことから、昼前にはほぼ値を消した。

<米原油先物> 北海のパイプラインの稼働停止などを背景に供給懸念が広がる中、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値は前日比0.26ドル(0.46%)高の1バレル=57.30ドル。2月物は0.25ドル高の57.33ドルとなった。亀裂が見つかったことで今週初めから稼働を停止している英国最大のフォーティーズ・パイプラインの復旧には数週間かかる可能性があるとの報などを受けて、欧州を中心に供給不安が広がっており、この日も原油相場を下支えした。同パイプラインの運営会社イネ オスは14日、不可抗力条項を発動した。このほか、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが15日公表した国内の石油掘削リグ稼働数が、同日までの1週間で前週比4基減の747基となり、6週間ぶりにマイナスに転じたことも支援材料となった。

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