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9月米耐久財受注0.1%減、コア受注マイナスに

2016年10月28日(金)01時49分

 10月27日、9月の米耐久財受注が0.1%減った。写真はキャタピラーの機械。デトロイトで2013年1月撮影(2016年 ロイター/Rebecca Cook)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日発表した9月の耐久財受注は、前月比0.1%減だった。0.3%増だった8月からマイナスに転じた。

市場は0.1%の増加を見込んでいた。輸送機器が0.8%落ち込んだことが重しとなった。一次金属や金属製品の受注が減る一方、一般機械や電機・家電は増えた。

9月は非国防資本財から航空機を除いたコア受注が前月比1.2%減った。市場予想は0.3%増だった。民間設備投資の先行指標とされるコア資本財の受注は前月まで3カ月連続で力強く増加していた。8月の数字は0.9%増から1.2%増に上方修正された。

国内総生産(GDP)の算出に用いられるコア資本財の出荷は前月比0.3%の増加。8月は横ばいだった。

ウェルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「コア資本財受注のトレンドが堅調であることは、第4・四半期に設備投資が再び増加に転じる可能性があることを示唆している」と指摘。ただ「力強く回復するとは予想していない」と述べた。

9月のコア出荷は増加したものの、設備投資は第3・四半期も引き続き弱いままで推移した可能性が高い。コンピューターや電子機器の需要が弱含んでおり、第4・四半期の企業投資は期待されたような伸びにはならない可能性がある。

全体としての企業支出は第2・四半期にやや持ち直したものの、設備投資は2015年後半以降、抑制された状態が続いている。ドル高と原油安で企業収益が圧迫され、予算削減を強いられていることが背景にある。ドル高がピークを越え、石油や天然ガスの採掘活動もここ数カ月は上向いていることから、設備投資の最悪期は過ぎたと慎重ながら前向きに捉える見方もある。

ただ、回復はいずれにしても緩やかなものとなる見込みだ。米建設機械大手キャタピラーは今週、第3・四半期の利益が前年同期比49%減少したと発表し、今年に入って2度目となる通期収益見通しの引き下げも明らかにした。キャタピラーは中古の建設機械が市場に「豊富に」存在することで重機の新規需要が減少しているとし、機関車や鉱業用トラックが「かなり」の台数で遊休設備化しているとした。

ロイター
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