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ドル102円前半で上値重い、株高に追随せず

2016年06月29日(水)15時19分

 6月29日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の102.18/20円。日経平均株価の上昇には追随せず102円前半で上値の重い展開となった。写真は2013年6月、為替ディーリングルームで撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 29日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の102.18/20円だった。日経平均株価は前日海外時間のリスク選好的な流れを引き継いでしっかり推移したが、ドル/円は追随せず102円前半で上値の重い展開となった。

株価が後場に一段高となったものの、ドル/円は102円前半でのもみ合いが続いた。市場では「(英国民投票という)大きなイベント後の、ポジションの調整が続いている印象で、方向感が出る感じはない」(国内金融機関)との声が聞かれた。

大引けにかけて株価が上げ幅を縮めると、ドル/円も下押しが強まり、一時102.17円に下落した。

前日の海外市場には、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる過度なリスク回避が巻き戻され、株高、ドル高/円安とリスク選好的なムードとなった。早朝の取引でドルは、この流れを引き継いで102.78円まで上値を伸ばした。

ただ、日経平均株価が寄り付きからいったん下げを広げたことに加え、政府・日銀が今朝開いた英EU離脱後2度目の会合で、「目新しい材料が出てこなかった」(証券会社)ことや、米連邦準備理事会(FRB)理事の発言などが伝わり、あらためてドル売りが流入し、正午前に一時102.25円まで下落した。

その後は、株価が切り返し上げ幅を拡大したことで、ドル/円は102円半ばまで反発した。

FRBのパウエル理事は28日、金融の状況はドル高などを通じて2014年以降引き締まっており、複数回の利上げに相当する、との認識を示した。

同理事は「経済に重要なのは金融全般の状況だ。ドルは上昇しており、信用スプレッドは拡大している。これは結局のところ、緩やかな引き締めに相当する」と述べた。

為替市場では、今年中に米国が1回は利上げするとの見方が後退するとともに、「米金融政策の次の一手は、引き締めではなく、緩和となる可能性もある」(金融機関)との見方も出ていた。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 102.18/20 1.1054/58 112.96/00

午前9時現在 102.69/71 1.1074/78 113.73/77

NY午後5時 102.74/77 1.1063/69 113.68/72

ロイター
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