ニュース速報

ビジネス

ドル111円前半で堅調、米利上げ期待と株高が支援

2016年05月31日(火)15時23分

 5月31日、午後3時のドル/円は、前日の欧州時間終盤と比べ、ややドル高/円安の111.26/28円だった。写真は都内の為替ボード。4月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 31日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日の欧州時間終盤と比べ、ややドル高/円安の111.26/28円だった。米早期利上げ期待が持続しながら株価も堅調に推移し、ドル/円は111円前半を軸にしっかり推移した。

ドルは早朝の高値111.16円から一時110.79円まで下押ししたが、安値では値ごろ感からの新規ドル買いや実需の買いフローも散見された。

月末のこの日は、仲値公示以降に実需のドル売りが出るとの見方があったが、正午にかけて切り返し111円台を回復した。

午後は日経平均株価がジリジリと上げ幅を拡大し、ドル/円も一時111・35円に上値を伸ばした。

市場では根強い米早期利上げ期待があり、ドル/円の下押し余地は110円半ば程度までだという。「米利上げ期待と株高のダブルエンジンで下げにくい」(外為どっとコム総研の調査部長、神田卓也氏)との声が聞かれた。

110円後半から押し目買いが観測されており、底堅さが意識されている。「少なくとも米雇用統計までは、短期的には目線は上方向ではないか」(神田氏)とみられている。

安倍政権による消費税増税再延期は目下、財政バランスの一段の悪化懸念より景気回復に向けた前向きな取り組みと捉えられており、ドル/円のリスクセンチメントにはポジティブで、ドル買い/円安方向のインプリケーションがあるという。

米利上げ期待との関連では、今夜発表される米個人所得・個人支出や、米シカゴ地区購買部協会景気指数、米消費者信頼感指数などの指標が注目されている。

経済産業省が31日発表した4月鉱工業生産指数速報は前月比0.3%上昇となった。2カ月連続の上昇。ロイターの事前調査では前月比1.5%低下と予想されていた。 生産予測指数は5月が前月比2.2%上昇、6月が同0.3%の上昇となった。経済産業省は生産の基調判断を「一進一退で推移」として据え置いた。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 111.26/28 1.1130/34 123.84/88

午前9時現在 110.83/85 1.1146/50 123.54/58

欧州時間終盤 111.07    1.1135    123.72

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン氏にイスラエルのラファ攻撃阻止要求、身内の

ビジネス

為替、購買力平価と市場実勢の大幅乖離に関心=日銀3

ビジネス

午前の日経平均は小反発、FOMC通過で 介入観測浮

ビジネス

国債買入の調整は時間かけて、能動的な政策手段とせず
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 9

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 10

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中