コラム

立憲民主、共産党、れいわ......選挙の時の有権者の気持ちはこんなもの

2023年04月11日(火)11時45分
果物屋

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN

<与野党問わず、まるでジョーク、いやジョークにもならない政治家たちの振る舞いが目立つ。統一地方選挙の季節だが、この果物屋店主に共感する人は多いはず>

【果物屋にて】

とある国会議員が自身の選挙区を歩いていた。議員は果物屋の前で立ち止まり、店主に言った。

「何かおすすめの果物でも買っていこうかな」

「分かりました」

しかし、店主が差し出してきたのは、小さくてまだ青いミカンと、穴のあいたリンゴと、腐りかけたメロンだった。店主が言った。

「お好きなものをどうぞ」

議員は怒った。

「ひどいものばかり並べやがって! いったい何のつもりだ!」

店主が答えた。

「選挙の時の私たちの気持ちが少しでもお分かりいただけましたか」

◇ ◇ ◇


「日本でも政権交代できるように」と小選挙区比例代表並立制が導入されたのが1996年。それから約30年。「悪夢」とも称される民主党政権を経た今、政権交代という言葉は不幸にも再び現実味を失っている。

当選後に一度も国会に登院しなかった参院議員が「除名」となった。その直後、この「元議員」は暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)などの疑いで、あっという間に「容疑者」に。ジョークに勝る奇譚(きたん)である。

れいわ新選組は比例選出議員が1年ごとに辞職と繰り上げ当選を繰り返す「れいわローテーション」なる構想を発表。初めに聞いたときにはこの党を貶(おとし)めるためのフェイクニュースかと思ったが、これではジョークにもならない。

日本共産党は党運営を批判した党員2人を立て続けに除名処分。除名となったのは志位和夫委員長の在任期間が20年以上に及ぶことを問題視した2人だったが、この報道を聞いた多くの国民はドン引き。

日本共産党は事あるごとに「民主主義」を口にしていたはずだったが、この顚末(てんまつ)は「民主主義とは何か?」を考えるのに秀逸な教材となった。ジョークとしてはなかなか風刺が効いていて面白い。

プロフィール
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

G7、ロシア凍結資産活用は首脳会議で判断 中国の過

ワールド

アングル:熱波から命を守る「最高酷暑責任者」、世界

ワールド

アングル:ロシア人数万人がトルコ脱出、背景に政策見

ビジネス

鈴木財務相「財政圧迫する可能性」、市場動向注視と日
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 3

    アウディーイウカ近郊の「地雷原」に突っ込んだロシア装甲車2台...同時に地雷を踏んだ瞬間をウクライナが公開

  • 4

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    なぜ? 大胆なマタニティルックを次々披露するヘイリ…

  • 7

    批判浴びる「女子バスケ界の新星」を激励...ケイトリ…

  • 8

    これ以上の「動員」は無理か...プーチン大統領、「現…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 6

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 7

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 10

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story