コラム

さよならブラウン、さよなら労働党

2010年05月12日(水)14時56分

これで5月6日の総選挙に決着がついた。ゴードン・ブラウンはイギリスの首相を辞任した

 05年の総選挙で労働党の議席を大幅に減らして辞任したトニー・ブレアの後を継ぐ形で長年待ち望んだ首相の座を手に入れて3年、不人気をかこち続けた。将来、イギリスの偉大な指導者として思い出されることはまずなく、それもおそらく自業自得なのだろう。

 だが、時代の犠牲になった面もなくはない。野党・保守党のデービッド・キャメロン党首がダウニング街10番地(首相官邸)の新たな住人に選ばれた大きな要因の一つは世界金融危機。ブラウン自身が対応を誤ったわけではない。歴史的な大波にも「ほぼ適切に対処した」ことは、保守派を自任する英エコノミスト誌さえ認めている

■「永遠の過半数」体制のはずが

 13年間の長期労働党政権を作る原動力となった「ニューレーバー(新しい労働党)」のスローガンはとうに色褪せ、有権者は変化を渇望していた。私が大学生だったときにある教授が、労働党はトニー・ブレアのおかげで日本の自由民主党のような「永遠の過半数」体制を築いたかもしれないと自信たっぷりに語っていたことを思い出す。その両党がそろって政権の座から追われたのは、政治の世界で唯一変わらないのは変化だけ、という教訓だろう。

 キャメロンは新首相として、いきなり未決書類の山に直面することになる。とくに、選挙戦ではほとんど争点にならなかったフォークランド問題などの外交政策は難題だ

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年05月11日(火)16時15分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 11/5/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

プロフィール

ForeignPolicy.com

国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

仏ルノー、25年は純損失109億ユーロ 日産株巡る

ビジネス

エールフランスKLM、25年営業利益は過去最高の2

ワールド

仏会計検査院、歳出削減促す 増税頼み限界

ビジネス

日立労組、26年春闘のベア要求1万8000円 一時
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 3
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 4
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 5
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 8
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 9
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 10
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story